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e-bikeで遊ぼう!通学・買い物だけじゃない、電動“スポーツ”自転車の魅力を専門家に教えてもらおう

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ここ数年、「e-bike(eバイク)」という新たなモビリティが注目を集めています。注目を集めている分、その名を耳にする機会も多いですが、「e-bikeって要はモーターが補助してくれる自転車でしょ。街でよく見る電動アシスト自転車とはどう違うの?」と、まだまだよくわからない存在です。こんなe-bikeを「新しいアクティビティ」と表現するのは、自転車ジャーナリストの難波ケンジさん。難波さんは黎明期からe-bikeに注目し、多くの情報を届けるだけでなく、自ら全国を駆け巡り、日本の「e-bike遊び」の可能性を追求してきました。

こんな難波さんに、e-bikeってそもそもなに?どんな種類があるの?どうやって選べばいいの?といったe-bikeにまつわる疑問、そしてe-Bikeの遊び方を聞いてみました。「e-bike、ちょっと気になってた」という方はぜひご覧あれ!

<この記事の目次>

  1. e-bikeってなんだ?車両のタイプからドライブユニットやバッテリーまで解説してもらおう!
  2. 街で、半島で、そして離島で!難波さん直伝のe-bike遊びプランガイド

e-bikeってなんだ?車両のタイプからドライブユニットやバッテリーまで解説してもらおう!

さまざまなタイプのe-bikeを前に、難波さんにあれこれ教えてもらいました。

e-bikeで遊びはどう変わる?どんなモデルがあるの

e-bikeももちろん自転車の一種で、一般に電動アシスト自転車と呼ばれる自転車と同じ扱いです。電動アシスト自転車は子どもを乗せたり荷物運びに便利なカゴなどを備えており、力強い走りが特徴的。一方、e-bikeは軽快にスポーツ走行を楽しめるように作られた電動アシスト“スポーツ”自転車です。電動アシスト自転車はいわば商用バンで、短距離の移動や重い荷物の運搬が得意。一方のe-bikeはスポーツカーのような存在で、走りそのものを楽しめるスポーティーさが特徴といえます。

スポーツ自転車が電動アシストを受けると、遊びってなにが変わるのですか?

一般のスポーツを当てはめて考えてみるといいでしょう。たとえば標高2000m以上の山を、ふもとから登る人は、かなりガチな登山家やハイカーといっていいと思います。こちらは「自分の力だけで山頂まで登る」というスポーツと捉えられます。

一方で、山の上のほうまでロープウェイで上がり、そこから山頂まで少し登る、という楽しみ方もあります。こちらは「きれいな景色を見ておいしい空気を吸って散策して癒される」といった感じのアクティビティと捉えることができる。後者を楽しむ人が多いのは、肉体的な負荷が少なくても、楽しさが大きいからでしょう。

話を自転車に戻しましょう。スポーツ自転車は、自らの身体を動力源に山頂まで行く登山と同様、スポーツです。たとえば1500mの峠をスポーツ自転車でいかに速く上るか? 自分を追い込み、これまでの限界を克服し、さらにレベルを高めたりするのが目的です。これはこれで極上の体験になる素晴らしいことです。

一方、スポーツ自転車に電動アシストが加わったe-bikeは、スポーツだけでなくアクティビティに向くモビリティになりました。e-bikeは1500mの峠の厳しい登坂のなかでも、景色や自然を楽しみながら体力を残して上ることができる。つまり、アクティビティとしての楽しさを堪能できるんです。

これまでのスポーツ自転車だと苦しかったことが、e-bikeだとラクになります。つまり余裕が生まれる。余裕があると、できることも見えることも広がります。そして遊びの質が大きく変わり、これまでよりずっと楽しくなるでしょう。

ということは、e-bikeだと走る場所やルートも変わってくる?

e-bikeについて私が「良い」と思うことのひとつが「安全」です。これまでの人力自転車だと、体力に合わせてルートを選ぶ必要がありました。ひとりで走るなら「途中で上れなさそう(上るのが辛そう)な坂があるから迂回しなきゃ」とか、グループで走るなら「いちばん体力のない人に合わせたルートを選ぶ」とか。そうすると、全員がある程度以上走れる人でない限り、どうしても平坦な道を走る必要が出てきます。そして日本で平坦な道路となると、国道や県道となり、交通量が多いんです。つまり自転車で走るには気を遣わねばならないし、交通事故リスクが高め。

e-bikeだと急坂でもラクに上れますので、平坦だけれど危険な道路を避けて裏道脇道を選べます。急な登りだから、仲間にとってキツ過ぎるから、といった理由で避けてきたルートを選べますし、そういう道は交通量が少ない場合があるので、交通事故のリスクを低減させることもできる。もちろんそれなりの下りもありますから危険性もありますが、そこは慎重に走ることで、ある程度は自分でリスクコントロールができる。

そんなふうに選べるルートが増えますので、これまで走ったことのないルートも楽しめるようになります。また、電動アシストが加わりますので、疲れにくくなります。体力に余裕があれば、気持ちの余裕もでてきます。

体力や気持ちに余裕があれば、観光スポットに寄って散策したり、食事を美味しく食べられたり、足を止めて美しい風景を眺めたりすることが増えると思いませんか。こういう余裕は、週末のアクティビティにはとても大切なことだと思います。

今日はさまざまなe-bikeを用意していただきましたが、いろいろなタイプがありますね。

人力のスポーツ自転車には、ロードバイク、クロスバイク、ミニベロ、マウンテンバイク、そしてグラベルロードバイクなどがありますが、e-bikeにもこれらと同じタイプが存在します。

ロードバイク

一般的に、ドロップハンドルに幅の細いタイヤを装備しているのが、ロードバイクの特徴。舗装路を長距離にわたりスピーディに走ることを主目的に設計されている。スポーツ性を徹底的に追求したモデルと解釈でき、その分、価格も高くなることが多い。

クロスバイク

スポーティな走りと快適性の両立を狙うのがクロスバイク。特徴的なのは一文字のフラットバーハンドルで、上体を起こした快適な乗車姿勢をとりやすいよう設計されている。タイヤはロードバイク同様、比較的幅の小さな舗装路用タイヤを装備することが多い。ロードバイクと比べると、価格は低めの傾向がある。

ミニベロ

20〜24インチ(それ以下の場合も)程度の小径タイヤを装備しているのが、ミニベロの最も大きな特徴。タイヤの小ささゆえ、漕ぎ出しが軽く小回りが利くので、市街地で乗るのに適している。また、タイヤが小さい分、車高も低くなるので、小柄なライダーでも乗りやすいのもメリットのひとつ。

マウンテンバイク

未舗装路を走ることを主目的としたタイプで、幅の大きなブロック状の突起がついたタイヤを装備している。荒れ地を走破するための高剛性フレームや、モデルによっては路面から伝わるショックを吸収するためのサスペンションも装備する。その分、他のタイプと比較すると重量は重くなる傾向にある。

グラベルロードバイク

ロードバイク同様、ドロップハンドルを装備しており形も似るが、未舗装路も走行できるよう、幅が大きいブロックタイプのタイヤを装備している。ロードバイクとマウンテンバイクの両者の特性を合わせ持っており、難波さんいわく「いま人気が高まりつつある」タイプだ。

なるほど……、たくさんありますね。どうやって選べばいいのでしょうか?

選ぶ観点で価値が変わってくるので、一概に「このタイプがおすすめ」とは言いにくいのですが、e-bikeには共通の良さがあります。それは電動アシストがもたらす「広がり」です。

たとえば人力自転車は坂を上がるのがしんどい。しかしe-bikeなら坂をラクに上がれます。もっといえば、坂を上がるのが楽しいと感じられるようにもなります。電動アシストで「坂を上がるしんどさが克服」され、行動範囲が広がり、さらに楽しさも広がるというわけですね。 e-bikeの種類により、この「広がり」つまり「人力自転車と比べたときの差」に違いがあります。とくにその差が顕著なのがマウンテンバイク系のe-bike。急峻な悪路も走破できるマウンテンバイクですが、そこに電動アシストが加わるとこれまでの苦しさの多くが楽しさに変わります。突き詰めるとマウンテンバイクタイプがe-bikeの「美味しい部分」を楽しみやすいカタチだと個人的には考えています。

とは言っても、e-bikeはどれも大きな広がりをもたらしてくれる乗り物です。たとえば、かわいらしいミニベロタイプe-bikeでも、標高1500mくらいの峠を走り抜くことができちゃいます。

だから少し視点を変えて、「コンパクトで玄関にしまえるe-bike」ということなら、ミニベロタイプe-bikeも大いに魅力的。e-bikeでも長距離を走りたいのなら、長距離走行でも体が疲れにくいロードバイクタイプがいいですね。気負わずラクなポジションで普段使いしたいなら、クロスバイクタイプが第一候補になるのではないでしょうか。

e-bikeというカテゴリーにある自転車なら、どれも乗り手の行動範囲や楽しさを十分広げてくれます。ですので、強いこだわりがない場合、どのタイプのe-bikeを選んでも、大きく「ハズす」ということはないように思います。

e-bikeのキモ!ドライブユニットとバッテリーはどうやって選ぶべき?

もう少し細かくe-bike選びに関してお聞きしたいです。e-bikeのアイデンティティともいえるモーター部分ですが、これはメーカーによって違いがあるのでしょうか?

e-bikeのモーター部分、ドライブユニットと呼ばれますが、現在は日本のパナソニック、ヤマハ、シマノ、ドイツのボッシュ、中国のバーファンなどが主要メーカーとして挙げられます。モーターで走る電気自転車は1980年にパナソニックが開発※し、現在の電動アシスト自転車の先駆け的存在となりました。その後、ヤマハが「ペダルを踏む動作を電動でアシスト」する自転車を開発し、現在の電動アシスト自転車の源流となりました。

※ナショナル自転車工業(現パナソニックサイクルテック)が開発した「エレクトリックサイクルDG-E2」。モーター駆動で走行可能だが、人がペダルを踏む動作にモーターは影響しない。つまり、電動“アシスト”自転車ではなく、モーターを動力としたスクーターとしての乗り物の性格が強い。

一方でe-bikeというカテゴリーを作ったとされるのはボッシュです。10年ほど前にボッシュがスポーツ用のe-bikeドライブユニットを発売し、それを多くの欧州自転車メーカーが採用し、電動アシストスポーツ自転車を送り出したことで、e-bikeというカテゴリーが生まれたというイメージです。

左がシマノ。右がボッシュのドライブユニット。各メーカー、性能やコストに応じてさまざまなグレードのドライブユニットをラインアップしている。

このように、各社出自が異なることも影響してか、それぞれが異なる方向性でドライブユニットを作っています。そして各社のドライブユニットには性格の違いがあります。

たとえばヤマハは発動機の会社なので、乗り物を操る楽しさを強調したアシスト特性を感じさせます。ボッシュは「e-bikeはラクな乗り物である」という考えのもと、豪快でパワフルなアシスト性能に裏打ちされた走りが味わえます。シマノは自然なアシスト感が特徴的で、スポーツ自転車パーツで圧倒的なシェア誇る会社だけに、自転車に乗る喜びをより味わえるという印象が強いです。バーファンは自転車によって味付けが変わっていたりするので、その性格を一言で表現するのはちょっと難しいですね……。

こういった違いは、初心者でも乗り比べればすぐにわかると思います。モーター音もかなり違います。各メーカーが独自の方向性を強く出しているのもe-bikeのおもしろさ。ぜひ乗り比べてみてください。

なお、ボッシュやシマノの同型番ドライブユニットは、日本のe-bikeに搭載されているものなら特性は同じです。しかし、自転車側のフレーム設計などにより、ドライブユニットの特性が違っているように感じられることがあります。同じドライブユニットでも車体設計で大きく乗り味が変わるのも、e-bikeの妙味です。

もうひとつ、e-bikeならではのパーツといえばバッテリーがあります。出先でパワーがなくなってしまったら、と考えると怖くなってしまいますが、バッテリーはどんなところを見ればいいでしょうか?

まず容量を見るのがポイントです。スペック表には「何百Wh(ワットアワー)」という数値が記載されていると思いますが、これはバッテリーの「定格容量」を示しています。たとえば500Whだと「500Wの力を1時間出せる」ということです。500Wは電気ストーブの「中」くらいでしょうか。これを1時間使える電力ということです。現在主流の容量は、だいたい400Wh前後。多いものだと630Whというのもあります。

では、どのくらいの容量があればいいのか。体重や乗り方により大きく異なりますが、目安があります。100Whの容量でだいたい300mの標高差をアシストを受けつつ上れます。容量500Whのバッテリーなら1500mの標高差を上れるというイメージです。バッテリー容量は「この容量だから〇km走れる」と捉えるよりも、「この容量だから獲得標高〇mくらいまでアシストが働く」と考えたほうが現実的です。

ただし、500Whの容量があるから1500m上れると考えず、最後の20%くらいは安全のために残しておくのがいいでしょう。バッテリー容量の80%くらいまでが「自由に使っていい容量」と捉えるとおくといいですね。

これは、バッテリーが完全に切れた状態では、上りがとても辛くなってしまうからです。アシスト無しのe-bikeは「とても重い人力自転車」で、登坂では体に大きな負荷がかかります。突然、アシストが切れると、心身ともに急激に疲弊してしまいます。

だったら、とにかくバッテリー容量の大きいモデルを選べば安心、ということでしょうか?

うーん、容量が大きいほどいいわけでもありません。なぜなら、バッテリーの容量が100Wh増えると、重量も1kgくらい増すからです。1kg増は走行にそこそこ影響します。なので400〜500Whあたりというのは、バランスが結構取れている容量だと考えています。

たとえばロードバイクやクロスバイクなら400Whでもいいと思います。このタイプは走行抵抗が少なく車重も軽いので、バッテリー消耗が比較的少ないからです。長距離走行を主軸に置かないミニベロタイプなら、より小容量でもいいかもしれません。またこれら車種はマウンテンバイクやグラベルロードバイクのように「どこへでも行ける」というわけではないので、「バッテリー容量が足りなくて困った」ということにはなりにくいと思います。

一方でマウンテンバイクタイプは500Wh以上の大容量モデルを選んだほうがいいと思います。このタイプは急な坂道があるエリアへ容易に行けて、またそういうエリアを走るととても楽しい。坂道も(ギア比の関係から)大得意なので、遊んでいるとついついバッテリーを大きく消耗しがちです。だからこそ、大容量バッテリーを選ぶのが無難。同様にどこへでも行けるグラベルロードバイクタイプも、なるべく大容量のバッテリーを選びたいところです。バッテリーに関していうと、見るべきポイントはまだ他にあります。

他のポイントってなんでしょうか?

インチューブタイプか外装タイプか、といったバッテリーが車体にどのように取り付けられているか、です。バッテリーをフレームに内蔵する方式をインチューブタイプと言いますが、多くの人がこれをカッコイイと言います。見た目がすっきりしていて、確かにイイですよね。一方で、バッテリーをフレームの外側にセットするのが外装タイプ。いかにも電動アシスト自転車という見栄えだと感じるかもしれません。

左が外装タイプ。文字通りバッテリーはフレームの外側に装着されている。大して右がインチューブタイプ。見た目には分からないがフレームの内部にバッテリーが仕込まれており、自転車らしいすっきりとしたシルエットを実現している。

「カッコイイからインチューブ1択!」というわけではないですよね。

インチューブタイプはフレームの中にバッテリーを入れるので、必然的にフレームの上か下に大きな開口部が必要になります。するとフレームがねじれやすくなり、補強する必要があります。補強すると重くなる。重くなると走行性能にデメリットを与える。インチューブバッテリーはすっきりとしたルックスにはなりますが、走行性能的にデメリットとなることもあるわけです。ただフレーム素材にカーボンを使用したe-bikeバイクの場合、話がやや異なります。カーボンは軽いので、補強して厚みを増してもあまり重くならない。なのでカーボンフレームのハイエンドなe-bikeならインチューブバッテリーと相性がいいと思います。

外装タイプはルックスがいまいち……という声を聞くことも多いですが、フレーム構造がシンプルなので、車体を軽くできるという、走行性能面でのメリットがあることは忘れてはなりません。

それから、外装バッテリーはライダーの居住環境を選ばないことが大きなメリットです。インチューブタイプの場合、e-bikeの車体に直接ケーブルを挿し充電する、というモデルもあります。

インチューブタイプの場合、車体に直接電源ケーブルを挿し充電する、というタイプもある。この場合、必然的に車体を電源に近づける必要があり、環境によっては車体まるごと家の中に入れないとならない、というケースもあるだろう。

ガレージに車体を入れてそのまま充電できる環境ならばとくに問題はないでしょう。しかし、集合住宅など、電源付きガレージが望めない環境ならば車体ごと家の中に持ち込んで充電することになります。一方で外装タイプならば非常に手軽にバッテリーを外せるので、バッテリーだけを家に持ち込んで充電、ということが可能になる。居住環境によっては外装タイプのほうが使い勝手がいいんですね。

外装バッテリーにはそんなメリットがあるんですが、そうは言ってもやはりみなさん外見にはこだわりますよね。カッコよくありたいですよね。わかります!そこで、もしインチューブタイプを選ぶとしたら、バッテリーの着脱しやすさにも注目してください。車体によっては非常に着脱しにくいことがあったり、カバーを開くときに手間がかかったりします。バッテリーを外して室内に持ち込んで充電する場合、都度手間になりますので、バッテリーの着脱のしやすさは重要な要素です。

写真のようにインチューブタイプでありながら、容易にバッテリーを取り外せる場合もある。家に車体を持ち込めない場合、こうした設計のモデルを選ぶのも手だ。

あまり考えたくないですが、バッテリーが切れたらどうなります?

電池切れのe-bikeは重い人力自転車になるので、当然「辛い」です。加えて、多くのケースで「危ない」です。

バッテリー切れが起こるのは、だいたいサイクリング終盤で、日が傾いていることが多いでしょう。山道だったらもう暗いかもしれません。冬なら気温が3℃とかになっている場合もあるので、やはり危ないんですね。

また、走行スピードが極端に遅くなるので、日没までに帰れるかどうか不安になったり、道によっては動物が出てきたり。e-bikeは誰も行かない山道のようなところをサイクリングすると非常に楽しいので、そういった不安や危険は「ありがちなこと」です。

そんなリスクを考慮し、e-bikeサイクリングはバッテリーの20%を残して終わるのが大切です。加えて「最後は下って終わる」ことが非常に大切。不意のバッテリー切れが起き、しかも帰着点まで上りというのは最悪のパターンです。楽しいe-bikeサイクリングのために「下って終わるルートを計画すること」「バッテリーを20%程度残して終わること」がとても大切です。

街で、半島で、そして離島で!難波さん直伝のe-bike遊びプランガイド

さて、ここからは難波さん秘蔵の「e-bikeの遊び方」を教えていただきたいと思います。難波さんの考えるe-bike遊びの神髄ってなんでしょうか?

e-bike遊びの魅力は「非日常」。街中でも自然の中でも非日常を簡単に体験できます。ラクな移動手段として見られがちなe-bikeですが、これには少々誤解があります。e-bikeならではの楽しさは、日常に潜む「じつはとても楽しいこと」を容易に発見できること。これはほかのどんな乗り物にもできなかったことで、この「コト」を体験すればe-bikeの楽しさをすぐ理解できると思います。

都市部で遊ぶなら、アップダウンのあるエリアを走り、いままで気付かなかった「街の顔」を発見してみよう

たとえば東京なら、台東区の谷中近辺とか、目黒区の中目黒〜渋谷区の代官山あたりとか。そういった、クルマでは入りにくく狭い道が多い場所で、かつアップダウンがあるエリアがおもしろいです。京都なら、東山の山あいや嵐山など、やはり平坦ではないエリアがおもしろい。人もクルマも多く通る平坦な場所を避け、そのちょっと脇を巡ると、街の思わぬ魅力を発見できたりするものです。

都市部でも気の向くままペダルを回せば、思いも寄らぬ風景に出会える。

普段行かないエリアやみんなが行かない道を走り、いつもとは違う視点で街をリアルに体感し、カフェやお店を発見し、自然を感じながら1日を過ごす。e-bikeの速度域はもちろんクルマより低いので、路傍のなにか気になるものがあっても、見過ごしにくいですし、かと言って徒歩のように行動範囲が狭くない。

またe-bikeなら狭い道でもアップダウンでも快適に走れて、さらに人力自転車だと疲れるようなルートでも体力に十分な余裕を残して巡ることができます。私自身もこんな風に「e-bike散策」を楽しみますが、見慣れたエリアでも、改めてe-bikeで巡ると、発見の多い刺激的なアクティビティになるんです。

すでにe-bikeを買ったという人は、住んでいる町の裏山のようなところへ行ってみてください。平凡に見えるし上り坂だから行く気も起きなかった裏山。e-bikeなら簡単に上れますし、意外な発見が楽しめるかもしれませんよ!

まだe-bike持ってない?だったらレンタルで伊豆を駆け巡り、その魅力を体感しよう

「e-bike興味あるけど、どんなもんなのか試してみたい」という状態ならば、レンタルe-bikeがおすすめです。現在e-bikeレンタルが盛んになりつつあり、1日5,000円〜くらいで借りられます。e-bikeをレンタルしている場所とは、すなわちサイクリングして楽しめる場所といえます。そこでe-bikeに乗って、ラクに遊ぶというわけです。

たとえば伊豆半島には「MERIDA X BASE(静岡県伊⾖の国市)」という施設があり、豊富なe-bikeを貸し出しています。

バイクブランド「メリダ」「MIYATA」を取り扱うミヤタサイクルが展開するMERIDA X BASE。自転車やギアの展示・販売、レンタルだけでなく、ロッカーや温泉施設も備えており、伊豆半島サイクリングの拠点として活用できる。
オフィシャルサイト

そして伊豆半島は火山活動の影響で形作られた土地なので、坂がとても急なうえ、その坂の途中にさまざまな史跡があります。裏道には古道なんかもあります。

伊豆の山道を上がっていけば、こんな景色が楽しめる。人力でここまで標高を上げるのは非常に大変だが、e-bikeなら急坂でもかなり余裕をもって走破できる。

e-bikeならそういったエリアをラクに広く巡れますので、まったく新しい観光スタイルとして楽しめます。伊豆半島はe-bike充電スポットも整っていますので、休憩時に充電するなどして遊ぶこともできますよ。

あるいは隠岐諸島。島根県の北側の島々ですが、鳥取県の境港から高速船で1時間ほどで行けます。現地の観光協会がパナソニックのe-bikeをレンタルしていて、手軽に島旅が楽しめます。

「日本の離島は格好のe-bike遊びスポット」と難波さん。レンタルならば身軽に気軽にその魅力を堪能できる!

隠岐諸島は後醍醐天皇が幽閉されていた場所で物凄く風光明媚です。日本でe-bikeサイクリングするのに最高の場所のひとつです。他に長野県白馬村の白馬岩岳には、パナソニックの「白馬岩岳 e-MTB STATION」があり、e-bikeがレンタルできます。山々に囲まれた雄大な自然を堪能しつつ、快適サイクリングが楽しめます。

これ以外にも千葉県鴨川市や高知県の四万十川周辺、絶景サイクリングスポットとして知られる広島県の瀬戸内しまなみ海道も、レンタルe-bikeで気軽にサイクリングが楽しめます。

こういったe-bikeレンタルサービスならば、身軽に現地を訪れてe-bikeサイクリングを楽しめます。e-bikeを買おうか迷っている、e-Bikeってどんな感じか試してみたい、とお考えならばぜひ一度レンタルe-bikeで遊び、その楽しさと快適さを体感してみてください。

e-bikeを手にしたら、「半島」を目指す!悪路や激坂をラクラク制して、まだ見ぬ風景に出会う

e-bikeは坂を走っていても、本当にラク。上り坂なのでスピードは落ちますが、e-bikeは低速であるほどアシスト力が強くなるので、ゆっくり坂を上ると平らなところを歩くような感覚で坂を走り上れます。山道ならば標高が上がるとともに、ダイナミックに変化していく風景がバッチリ楽しめますが、誰かと一緒に走っているならば、「すごい風景だね〜」なんておしゃべりしながら余裕を持って走れるのもe-bikeならでは。そしていつしか視界が開けて空が近くなり、自分でも信じられないほどの高所に到達しているんです。

いつのまにか標高は上がり、空の近くに。

そんな素敵な坂ってどこにあるの、と思いますか?じつは関東、関西ともにたくさんあります。具体的には「半島」と名のつく場所を目指していただくと、都市部にはなかなかない体験が得られる「美味しい坂道」に出会いやすい。標高を上げていけば、半島らしい大パノラマも期待できます。

関東近郊にお住まいなら、房総半島にぜひ行ってみていただきたい。彼の地にはこんな道があったんだ、という裏道や細道が無数にあるんですね。道を外れたオフロードではなく、山の上に住む方々のために維持されているような道路です。

難波さんが房総で出会った、なんとも味わい深い未舗装路、と見せかけて実は自動車も走行可能な富津市道。冒険に気軽にアプローチできるのがe-bikeの魅力だが、ガードレールが整備されていないなど、リスキーな場所もあるので、くれぐれも安全に気をつけて走りたい。

そういう道はえてして細く急峻なのでクルマや人力自転車では走りにくいですが、e-bikeだと余裕!そしてそんな道の途中には、大昔の素掘りトンネルとか、謎めいた湖沼とか、ちょっと不思議な橋梁とか、眼下に突然現れる大海原とか、さまざまな驚きを伴った発見があるんです。

ちょっと下れば君津市や南房総市などの街が広がっている。けれど、少し上ると見たことのない環境がある……。房総半島はさながらワンダーランドで、e-bikeならばその場所を快適に楽しめるというわけです。

e-bikeが楽しい「裏道探し」のコツ

「美味しい坂道」「魅力的な裏道」に出会えるのは房総以外の「半島」でも同様です。ただ、そういう道はどう見つければいいのか?それならば、Googleマップで半島を詳細に拡大することから始めましょう。ストリートビューや航空写真も使って「この道は行けそうだ」とアタリをつけ、とりあえずそこの半径5kmくらいをe-bikeで走って遊んでみる。

山のなかにはいろんな楽しいことが隠れていて、何十年もやっているレストランや、いい雰囲気のパン屋さんを見つめたり。かと思えば廃屋があって怖くなったり。街では味わえない体験がそこかしこに転がっているのです。ただ、道はあってもガードレールがなかったりするので、ある程度のリスクはあります。「冒険」と捉え、段階を踏みつつ楽しんでください。

これぞe-bike遊びの醍醐味!離島を巡る旅

私の思うe-bikeの究極の遊び方は「離島サイクリング」です。e-bikeを買ったらいつかは島に行ってみてほしい。もちろん、買っていきなり島に行くのもアリ。テンションが高いうちに、私に騙されたと思って、ぜひ島に!

こちらは三宅島の様子。空と山と海の狭間の絶景を走る。これぞ離島e-bikeサイクリングの醍醐味。

例えば伊豆大島は、東京から2時間弱で行けるアクセス良好な島ですが、そこはまさにe-bike天国。

島特有の起伏、そして人もクルマも少ない最高の環境を楽しめる。

港から坂道を上がると標高550mの三原山付近まで行けて、道中は太平洋や富士山を望む絶景スポットだらけ。

絶景がそこかしこに。これぞ島を巡る魅力。

さらに「ここは本当に地球なのか?」と思うような砂漠地帯があったりと、驚きの連続です。砂漠地帯を走ることもできますよ。

三原山火口の東に位置する「裏砂漠」。人力のみでこんな砂地を走ろうとすれば相当苦労するが、マウンテンバイクタイプのe-bikeならば、ただただ走るのが楽しい!

私はこれまでたくさんの人を伊豆大島e-bikeサイクリングに案内してきましたが、「こんなに素晴らしいなんて、もっと早くに訪れるんだった」と皆さん口を揃えます。それほど、島でのe-bikeサイクリングは突出して楽しいのです。

日本の離島は世界中探しても他にないくらいe-bike遊びに最高の場所です。インフラが整っていて、道も整備されている島、そして意外なほど本土から気軽にアクセスできる島が多いのですから。高速道路でどこかへ遊びにいくより、島に行った方が、じつは安上がり、なんてことも考えられます。e-bikeで遊ぶなら、ぜひ離島でのe-bikeサイクリングを考えてみてください。

関西なら本土からクルマでアクセスできる淡路島もお勧めのスポット。火山島ではありませんが、海と山と坂道を楽しめる島です。また、瀬戸内海の他の島々に注目すれば、e-bikeで島巡り、なんていうアクティビティもお勧めです。渡し船にe-bikeごと乗り込み、島を走ってまた別の島に行って、といったアイランドホッピングが楽しめます。「この島の入江が綺麗だから今日はこの島の宿に泊まろう」と自由気ままに過ごす休日は本当に最高です。

島々をつなぐ船は自転車積載スペースを備えることも。

他にも九州ならば壱岐島、さらに足を伸ばして対馬などなど、日本はさまざまなエリアでe-bike島巡りが楽しめます。日本の離島は世界中探しても他にないくらいe-bike遊びに最高の場所です。インフラが整っていて、道も整備されていて、そして意外なほど本土から気軽にアクセスできる島が多いのですから。高速道路でどこかへ遊びにいくより、島に行った方が、じつは安上がり、なんてこともありえますので、e-bikeで遊ぶなら、ぜひ離島に足をのばしてみてください。

なお、離島でe-bikeサイクリングをしている人はまだまだ少数です。今後はもっとe-bike遊びが一般化していくと予想されますので、いまのうちに独り占め状態をたっぷり楽しんでほしいと思います。

難波ケンジさん
自転車ジャーナリスト。日本バイシクルオブ・ザ・イヤー選考委員。一般社団法人自転車協会e-bike講師。国内外の自転車トレンドに詳しくe-bike黎明期よりその将来性に注目し、e-bikeを日本に紹介した人物として知られる。e-bikeを使った遊び方や、その普及にも努め、自転車専門誌やオンラインメディアで日本ならではのe-bikeの楽しみ方を提案する。


取材・文:スタパ齋藤
撮影:小野奈那子
編集:はてな編集部

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