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ちょっと不思議な「珍博物館」の世界―知識と愛情とドラマが詰まったユニークなミュージアムへ行ってみよう

ちょっと不思議な「珍博物館」の世界―知識と愛情とドラマが詰まったユニークなミュージアムへ行ってみよう
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<この記事は11分で読めます。>

日本には、数えきれないほどたくさんの博物館が存在します。

皆さんが暮らす地域にも、規模を問わなければどこかしらに博物館はあるのではないでしょうか。小さい頃は学校の課外授業で訪問したことがあるなんて方も多いはずです。

しかし、いわゆる「博物館」というイメージからは離れた、一風変わっている、でもとても魅力的な博物館が数多くあるのです。それも北海道から沖縄まで至るところに。

社会人になるまでは博物館に行くことがほとんどなかった私ですが、静岡県にある「怪しい少年少女博物館」(後述します)という珍博物館に行ったことがキッカケとなって、博物館熱が爆発!

マニアックな博物館に行けば行くほど“知らない世界を知る楽しさ”にハマり、「世の中には思った以上にいろいろな場所があり、運営する館長にもさまざまなドラマがある」ことを知りました。

普段の平日はフリーのシステムエンジニアとして働いている私ですが、土日の休みとなると、行ける限り博物館へと訪問する生活を6年以上続けております。土日の休みはほぼ家にいることはなく、もっと言えば金曜日の夜から家に帰らないこともしばしば。気が付けば、訪問した博物館の数は800カ所以上。しかも1回の滞在時間は大変長く、時には開館時間から閉館時間まで、8時間滞在したこともありました(笑)。

本当に、世の中、何がキッカケになるか分からないものですね。

そして今回、博物館を愛してやまない私が、今まで訪れた中でドライブの際にぜひ立ち寄ってほしい、関東近郊にある博物館をピックアップしてみました。

著者:丹治直樹
1987年神奈川生まれ。フリーエンジニアの傍ら、日本の知られざる場所を発掘して取材・調査をまとめたブログ「知の冒険」を運営。博物館が好き過ぎて、本業以外の時間をすべて日本全国の博物館取材に費やす。訪問した博物館は約800カ所。Webメディアに取り上げられるほか、ラジオ番組へも出演しつつ、日々博物館の魅力を発信している。著書に『世にも奇妙な博物館 未知と出会う55スポット』(みらいパブリッシング)。
Blog:知の冒険
Twitter:@chinobouken1

<この記事の目次>

  1. 珍博物館の王道!? 意外なテーマを扱う博物館
  2. 実は珍博物館の宝庫、山梨。知られざる歴史を堪能できる博物館
  3. オモシロ博物館が多い静岡・伊豆の博物館
  4. まだまだ深いです、珍博物館の世界

珍博物館の王道!? 意外なテーマを扱う博物館

珍博物館の楽しみの一つには「えっ?こんな博物館があるの?」という意外性があります。想定外の場所に思わぬ史実が存在し、より世界が広がる楽しさや手応えが感じられることもしばしば。そんな意外性のある博物館を2つご紹介します。

【栃木】西洋式リゾートホテルの草分けだった侍屋敷「金谷ホテル歴史館」

人気観光地として知られる日光。日光東照宮や華厳の滝など多くの人気スポットがあるこの場所には、江戸時代初期に建てられ、“侍屋敷”と呼ばれた「金谷ホテル歴史館」があります。

かつては、西洋式リゾートホテルの草分け的存在だった「金谷カテッジイン」という外国人専門の宿泊施設であり、今も日本を代表するクラシックホテルである「日光金谷ホテル」の前身でもあります。

その宿泊施設だった建物が、現在は一般開放されています。創業当時の生活用品が展示され、歴史を感じる襖絵(ふすまえ)があり、庭に耳を澄ますとししおどしの音が聞こえるという、まさに古(いにしえ)の雰囲気を感じることができるのです。

ところが、その造りは忍者屋敷のように、実に複雑怪奇。2階の襖を開けると、押し入れかと思いきや1階に抜けられるようになっていたり、それほど大きな建物ではないものの、なぜか階段は7つもある。

初めて館内を巡ってみると、迷路のような造りになっていることが分かると思います。なんせ、スタッフの方ですら、最初はお客さんを案内する際に迷ったほどだそうなので。

なぜこんな複雑な造りになっているかは、詳しい資料もなく、未だに謎。もしかすると、建物をよく観察してみると、誰も気づけなかった発見があるかもしれませんよ!

古き日本を旅した外国人が宿泊していた“侍屋敷”。ぜひ日光でその歴史を堪能してみてください。

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【千葉】館長のそろばん愛が詰まった「白井そろばん博物館」

「読み書きそろばん」という言葉があるように、かつては生活の必需品でもあったそろばん。千葉県白井市には、そんなそろばんに特化した「白井そろばん博物館」があります。

今ではパソコンやスマートフォンで計算できるため、計算機としてのそろばんの実務的な価値は下がっているかもしれません。しかし、今では右脳の活性化、集中力・記憶力アップといった効果が期待されており、このデジタル時代に再注目されている存在なのだとか。

2階建ての館内には、扇形や「折り畳みが可能」という意外な形をしたもの、海外のもの、さらにはどうやって作られたのか不明なそろばんまで、そのバリエーションは実に豊富。さらに、よ~く館内を見渡してみると、照明やステンドグラス、簾(すだれ)など何気ない場所にもそろばんが取り入れられており、館長のそろばん愛が感じられます!

ここは、かつてそろばん塾を経営していた館長さんが一人で運営されているという、超アットホームな博物館。お客さんがやってくると、館長自ら館内を案内してくれるだけでなく、そろばんの魅力をも伝えてくれます。

2階には休憩スペースが設けられており、入館者はコーヒーをいただけます。地元の学生が読書をしに来たり、地域の方の憩いの場所にもなっていることもあり、展示物を鑑賞するだけでなく、ちょっと休憩したりという使い方だってできるのです。そんな地元に愛されたこぢんまりとした博物館。きっと、旅の良き思い出になると思いますよ!

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実は珍博物館の宝庫、山梨。知られざる歴史を堪能できる博物館

富士山、八ヶ岳、南アルプスに囲まれた自然豊かな山梨県には、忍野八海や富士五湖など、自然や景観を生かしたスポットが多数存在することでも知られています。そんな山梨県にも、探してみると、意外な博物館が皆さんを待ち構えているのです!

高速道路のPAからも入館可能「釈迦堂遺跡博物館」

甲府盆地の東側に位置する山梨県笛吹市。ここには、縄文時代の遺物が数多く展示されている「釈迦堂遺跡博物館」があります。

中央自動車道の釈迦堂PAからすぐの場所にあるこの博物館は、なんと下りPAに車を停めて直接歩いて訪問することが可能という、驚異のアクセシビリティの高さも珍しい。中央自動車道建設工事に先立って行われた発掘調査により、釈迦堂遺跡から多数の遺物が発見されたことをキッカケに誕生しました。土偶だけでも1,116点もの出土数を誇ります。

館内には、その発掘調査で発見された遺物が大変見やすく展示されています。遥か昔の縄文人たちが使っていた品々が展示されている薄暗い空間は、どこか神秘的な雰囲気をも感じさせてくれます。

縄文時代は1万年近く続いたといわれています。当時の縄文人たちは何を思ってこの模様を描いたのだろうか、そしてどのようなことを考えて生活していたのだろうか。そんなことに思いを馳せながらさまざまな模様が刻まれた展示物を見ていると、机の上で勉強している以上に興味・関心が湧いてくるものです。

一般道からでも高速道路からでも、都心から甲信越方面へ行く際のついでに、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

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清里高原を開拓したパイオニアとは!?「ポール・ラッシュ記念館」

山梨県の北西部にある清里高原。標高は1,400mにもなり、夏でも涼しいことから、今でも避暑と観光で多くの人が訪れる場所です。

そんな清里高原に、”清里高原の父”と言われるポール・ラッシュの功績を伝える博物館があることはあまり知られていません。

ポール・ラッシュとは、関東大震災をキッカケに来日したアメリカの聖職者。名が知られた人物ではないかもしれませんが、立教大学の教職員として教育にあたり、聖路加国際病院の再建、アメリカンフットボールを初めて日本に持ち込むなど、多くの功績を残し、昭和初期の日本に影響を与えた人物なのです。

ポールと清里がつながるキッカケは、キリスト教青年指導者を訓練するためのキャンプ地として清里高原が選ばれたことでした。厳冬期には氷点下20℃にもなる農業もままならない場所を”農村伝道のモデル拠点”とすべく、酪農や高原野菜を植えるなどの果敢な挑戦を行ったことで、今の清里があるというわけです。

そんな偉人の歴史を伝えるポール・ラッシュ記念館では、以上のような歴史が学べるだけでなく、彼が晩年暮らしていた住居をも公開しています。都心から外れた閑静な高原地帯に位置しており、木造で洋風の雰囲気という非常に落ち着けるこの空間。それゆえ、展示物を見にくる方がいるのはもちろんですが、気持ちを落ち着かせるために博物館へと足を運ぶリピーターもいるとのことです。

※現在は館内の撮影は限定されています。詳しくはポール・ラッシュ記念館のWebページをご覧ください。

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オモシロ博物館が多い静岡・伊豆の博物館

珍博物館は全国に存在するものの、静岡県の伊豆半島は、特に珍博物館が密集しているエリアです。温泉地が多数存在し、雄大な海を眺められる場所も多い伊豆ですが、そこにある珍博物館の中でも、特に際立った博物館を2つ取り上げてみました。

名誉館長は、あのお笑い芸人「駿河湾深海生物館」

伊豆半島南端の石廊崎と西側にある御前崎に囲まれた駿河湾は、日本一水深が深く、多くの深海生物がいることで知られています。その駿河湾に面する伊豆半島の沼津市戸田には、「駿河湾深海生物館」という深海生物に特化した博物館があります。

館内に展示してあるほとんどが本物の深海魚のはく製で、中には、直接触れることができるものも。

深海魚は、深海という特殊な環境で生息しており、エサの少ない環境に適応して生き残ります。そのため、エサをおびきよせるよう発光したり、他所では見られないどこか独特な姿・形をしたりしています。

そして、こちらの名誉館長は、芸能界随一と言っていいほど生き物好きであるお笑い芸人・ココリコの田中直樹さん。この博物館が2017年(平成29年)にリニューアルされる際、田中さんも監修の一人として加わりました。

世界最大のカニとして知られ、戸田で名物になっているタカアシガニの展示や、数体しか確認されていない希少なオロシザメ、常設展示では国内初であるソコボウズの展示は必見です。

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怪しい、とにもかくにも怪しい……「怪しい少年少女博物館」

伊豆には一風変わったというか、B級感あふれるスポットがちらほら見られます。その中でも突出して変わっているのが、伊東市にある「怪しい少年少女博物館」。

ちょっと不思議な「珍博物館」の世界―知識と愛情とドラマが詰まったユニークなミュージアムへ行ってみよう

もう名前からして怪しいですが、館内は怪しいというよりも、わけが分からなくて笑いが出てしまうほどのカオスっぶり。珍スポット界隈ではかなり有名な場所でもあります。

そんなカオスな館内には怪しい人形がたくさんあったり、さらに博物館なのになぜかお化け屋敷があったり、さらにさらになぜか懐かしのスーパーマリオブラザーズで遊べたり。とにかく「普通」という概念を良い意味で破壊してくれる場所です。

怪しさ満点ではあるものの、そんな一風変わった世界を、ぜひのぞき見てみてはいかがでしょうか?

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まだまだ深いです、珍博物館の世界

今回は関東近郊にある6カ所の博物館を紹介させていただきました。どれも個性あふれる博物館ばかりで、皆さんの旅にきっと大きな刺激を与えてくれると思います!

博物館って、時間がある時にふらっと立ち寄るくらいかな……という方がもしかすると多いかもしれません。でも、じっくり見ると思わぬ発見があって、想像以上に面白いストーリーに浸れる場所なのです。

白井そろばん博物館のようなこぢんまりとした博物館ともなると、館長さんに解説をしていただくコミュニケーションも生まれます。ただ展示物を見るだけでなく、博物館の方との出会いもあります。ポール・ラッシュ記念館のように気持ちをリフレッシュするためなど、博物館にも楽しみ方はいろいろあるもの。

博物館を通して世の中のさまざまな出来事に触れることで、きっと皆さんにも「思った以上に世の中には多様な歴史があって面白い」ことを実感していただけると思っています。

とはいえ、今回紹介させていただいた博物館は、全国から見ればほんの一部にすぎません。東京国立博物館や江戸東京博物館などの有名どころもあれば、知られざる郷土の偉人を紹介する博物館、異常な愛情を持った館長がひたすら収集したコレクションを展示する博物館、さらにはその地域に語り継がれる独特な歴史を広める博物館など、そのバリエーションはまさに無限大!

まだまだ面白い珍博物館はたくさんありますので、ぜひドライブに出かける際には、このような博物館を探して立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

編集:はてな編集部

オモシロいドライブスポット、この記事にもあります!

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