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ドルヲタ、全国を駆ける。これまでの遠征、そしてこれからの現場の話【寄稿:ガリバー】

ドルヲタの遠征術メインカット
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<この記事は14分で読めます。>

筋金入りのアイドルファンであるガリバーさんにとって、全国の現場を渡り歩く「遠征」は、まさにライフワーク。“運命のあの子”に出会うための移動を効率的かつ快適にするためのノウハウ、そして、コロナ禍で気軽に現場に行けなくなったいま、ガリバーさんが思うことを綴ってもらいました。

アイドルを愛してやまないヲタとして、かつては日々ライブやイベントなどの、いわゆる「現場」に通う日々を過ごしていました。主に週末、朝から晩までパンパンに予定を詰め込み、時間が許せば平日の夜も現場目がけて走り続け、気がつけば年間400以上の現場に参加した年もあります。もちろん、足を運ぶのは地元だけではありません。ときに北海道、ときに沖縄と、現場を求めて遠征します。そう、私のような現場系ヲタとは、運命の「あの子」との出会いを求め、絶えず移動する種族なのです。

コロナ禍以降、現場はオンラインへ移行し、アイドルと私たちを繋ぐハードルは低くなったようにも思います。しかし、それでも私たちアイドルヲタの、リアルな現場への思いはやみません。この記事では、いつかまた思い思いに現場を駆け巡れるその日のために、私がこれまでの現場通いで培った遠征のためノウハウ、そしてコロナ禍や自身のライフステージの変化によって生じた、私の現場への思いをお伝えしたいと思います。

<この記事の目次>

  1. なぜ、アイドルファンは移動するのか
  2. まずはここから、遠征のプランづくり
  3. スケジュールを決めたら、そこにどうやって行く?
  4. 現地での移動手段、そして知っておきたい遠征先の宿選び
  5. 現場も、遠征も、私も変わる。それでもドルヲタの喜びは変わらない

なぜ、アイドルファンは移動するのか

日々、SNSやライブ配信で多くのアイドルが活動し、一生かかっても消費し切れないほど、アイドルに関わるコンテンツは溢れ返っています。しかし、それでも一定数のファンは「現場」に通います。近くの街のイベントだけでなく、新幹線やバスや飛行機を駆使し、都道府県を跨いで現場におもむくのです。なぜこんなにも、移動し続けるのか。それは、アイドルとの出会いを渇望しているからに他なりません。

画面越しでは満足しきれない、あるいはそもそもオンラインに接続すらされていない出会いが、全国各地にたくさんあるのです。こうした出会いを得るためには、移動する以外に方法はありません。熱心なアイドルファンにとって移動と現場は不可分の要素であり、かけがえのないものです。そしてもちろん、「出会い」という目的を果たすためには、移動を効率化し、かつ快適に洗練させねばなりません。以降、遠征をよき移動にするための、私の経験で培った方法をお伝えしていきます。

まずはここから、遠征のプランづくり

現場巡りは、いつだって行きたい現場の日時と場所が発表された瞬間から始まります。まずは、お目当てのコンサートやイベントを軸に、空き時間の有効活用を考えるのが、遠征プランづくりの大原則となってきます。

遠征先での時間を実りあるものにするために、とくに大事にしたいのは、「その地だからこその出会い」を調べることです。軸となるイベントの開演時間直前に現地入りし、終演後すぐ帰るような移動では実にもったいない。こんなことを考えつつ、できあがった私のある日の遠征プランはこんな感じです。

ガリバーさんの遠征スケジュール
これは2011年のある日の東京遠征のスケジュールです。この日は朝の9時から幕張メッセでAKB48の握手会に参加した後、名古屋・福岡・愛媛のローカルアイドルの現場を巡りつつ、ハロー!プロジェクトも覗きながら、夜までに合計6現場を回っています。

これはイベントが多い関東での極端な例ですが、出向いた先だからこそある出会い=現地でしか会えないアイドルの現場に足を運ぶためには、地元のイベントを調べ尽くす以外の方法はありません。私の場合、アイドルスケジューラー等のイベント情報サイトのチェック、さらにTwitterで「日付 地名」で検索し情報を探します。もちろん、継続的に追いかけている、その地のグループのスケジュールもチェックします。

こうしてさまざまなイベントに参加するのですから、移動のタイミングはできるだけ早くしたいところです。可能であれば、その日の朝イチに現地入り。もっと余裕があれば前日入りして、遠征先で朝イチから活動できるのがベストです。飛行機であれば早朝便はその路線の最安価格であることが多いですし、前日入りに適した夜遅めの便もエリアによってはお手頃であることが多いです。前日入りできれば、夜のご当地グルメを楽しめる可能性も増えてきます。

一仙の茹でタ
仙台ならば、牛タン。せっかくの遠征、出会い以外の楽しみも追求したいところです。なお、写真は一仙の茹でタンです。

しかし、地方、とくに小さな町に行くときは注意すべきポイントもあります。まず確認しておくべきは現地の公共交通機関の運行状況です。小さな町の場合、土日祝日は交通機関が運休していたり、動いていても本数が非常に限られている、といったことがあります。私自身、運行状況を確認しなかったばっかりに、帰路に乗る予定だった最終電車を危うく逃してしまいそうになったことがあります。そのときは運よくタクシーがつかまり、山奥のイベント会場から駅までたどり着けたのですが、地方ではときにバス1本の乗り遅れが大ダメージになることもあるので、どうかご注意を。

ただ、どれだけ調べても電車やバスの場合、どうしても柔軟な移動ができません。ですから私の場合、遠征先では必要であれば容赦なくタクシーを使うようにしています。最近はGOをはじめ、タクシー配車アプリも充実しつつありますが、アプリに登録されていない地元のタクシー会社も調べ、移動手段を準備をしておきます。遠征の最大の目的は言うまでもなく現場。現場のためにはタクシー利用をためらいません。交通費をケチるあまりライブが見られないのでは、一体何のために移動しているかわからなくなってしまいますから。

そして遠征プランづくりで、決して忘れてはならない点がもうひとつ。家族への共有です。現場遠征しようと考える方のなかには、私と同じようにパートナーやお子さんがいらっしゃる方もいると思います。近しい人たちの理解なくして、遠征は成立しません。だからこそ、遠征のプランはできるだけ早めに共有したいところ。ベストは現場のスケジュールが発表された段階で、すぐに報告をすること。自分が遠征している間の子どもの世話や、実家との協力を含めて、家庭の管理や調整を一緒に対策し、話し合うことが、円満な家庭と遠征活動に欠かせません。

スケジュールを決めたら、そこにどうやって行く?

いつ、どこの現場に遠征するかは決めた。そのあと考えるのは、「どうやって」遠征先に向かうかです。電車、バス、飛行機などが移動手段として考えられますが、これら移動手段を行き先に応じて柔軟に選択・検討するのが原則です。しかし、「よく使う移動手段」ももちろん存在します。

少し前まで私が愛用していたのが、夜行バスです。寝ている間に目的地に運んでくれる夜行バスは、宿泊費を圧縮できる最強クラスの移動手段です。コスパの高さゆえ、夜行バスを駆使して全国を移動していましたが、現在は飛行機を使うことが増えています。

低価格な飛行機といえばLCCですが、私がよく使うのはフルサービスキャリア(FSC)です。LCCの価格の安さは確かに魅力ですが、搭乗ターミナルが空港の端にあって大変、搭乗予定の変更がしにくい、などのデメリットを考慮すると、私にとってはFSCの方がトータルのコスパがいい、と考えるようになったのです。

こうした考えに至ったのには、仕事で出張が多く、マイルが効率的に手に入る、という私の個人的事情も影響しています。他にも日々の買い物(現場のチケット代やCDなどソフト代などを含む)やヲタ活にクレジットカード使用することで、さらに効果的なマイル運用ができることから、結果的に「FSCが一番コスパがいい」という状況になったのです。

加えて、FSCはマイレージプログラムを活用すると、搭乗距離に応じて空港ラウンジが利用できたり、ボーナスの航空券が特典としてついてきたり、便の変更にも柔軟に対応してもらえたり、乗れば乗るほどメリットが増え、トータルのコスパはさらによくなってきます。航空会社の思惑どおり、ともいえますが、移動手段をFSCに集中させることで、遠征のための移動が実に快適になりました。ただ、コロナ禍になって出張が減り、マイル獲得チャンスが減少したことで、最近はまたバス移動を選ぶことが増えています。

長距離バスならば、オススメできるのはオリオンバス。同社はサービス改善志向が素晴らしく、座席をリクライニングをするのを遠慮してしまう、という乗客の声に対し、「乗車時点でシートを最大までリクライニングさせておく」運用を取り入れたことで有名です。今は4列バスでも座席の間に仕切りカーテンがついて、なお快適になっています。

オリオンバス車内のカーテン
オリオンバス車内には、客席間にこうした仕切りのカーテンが。
遠征のときに持って行くアイテム

遠征を快適にするために重要なのは荷物を最低限にすること。どんな移動手段を選んだとしても、重い荷物を抱えていては、現場の前に疲れが溜まってしまいます。私が心がけているのは、シンプルに「荷物を減らす」です。フットワークを軽くすることを考えつつ、荷物が増える場合は、「預けるバッグ」と「身にまとう小型バッグ」の2種類で運用すると快適です。

なお、個人的な話ですが、私は遠征先でグッズ類は基本的に買いません。どうしても欲しい場合は後日公式のネット通販で入手するか、現地で買ったとしても郵送するようにしています。遠征先では荷物を増やすことはできるだけ避け、それよりもライブ、イベント、特典会、さらには観光やグルメなど、思い出を積み重ねることに予算と体力を投じたいのです。私にとって遠征という「移動」において重要なのは、モノではなくプロセスと思い出なのです。

現地での移動手段、そして知っておきたい遠征先の宿選び

さて、準備を整え遠征先にたどり着いたら、その地でどのように時間を使うか。先にお伝えしたとおり、私は遠征ではかなりの現場に足を運びますが、予定は詰め込むくらいが丁度いい、と考えています。なぜなら、ライブが長引いたり、あるいは突然中止になったりと、現場ではときにハプニングも発生するからです。こうしたハプニングに備え、現場予定をストックしておくことが重要なのです。限られた時間で、アイドルとの出会いを最大限求めるために必要なことだと思っています。

だからこそ、遠征先での移動はタクシーを使いたいのです。土地勘のない場所で効率よく移動する、あるいは急な予定変更に柔軟に対応するために、タクシーは実に便利な移動手段です。地元のタクシー運転手さんとの会話も貴重な思い出となりますし、ご当地アイドルの思いもよらないエピソードを聞けることもあります。

最近はカーシェアサービスも広がっており、これを利用するのもひとつの手です。遠征先で利用できるサービスを調べておき、事前に登録しておくと、都市部から距離のある現場にもお手頃に移動できるでしょう。

カプセルホテル、あなどるなかれ。遠征の質を決める、宿と宿泊エリア選び

遠征先で快適な時間を過ごすには、宿泊場所のチョイスも影響します。宿泊場所は現地での移動プランを決めるうえで、まず考えておくべき要素です。アリーナやドームクラスの大きなライブに遠征する場合、公演日程が発表された瞬間からヲタ同士の宿をめぐる戦いが始まるからです。とくに、大きなコンサート会場が狭いエリアに密集している福岡では、宿争奪戦が激化する傾向にあります。そのため、福岡遠征でいい宿を確保するためには、細かいスケジュールを考えるよりも、まず宿の予約をするのが得策です。ここで出遅れると、かなり離れた街の宿になってしまうこともあるのです。

私自身は個室へのこだわりがないので、大浴場のあるカプセルホテルを好んで利用しています。また、大浴場こそ備えていませんが、気鋭の現代建築家が手がけるカプセルホテル「ナインアワーズ」もお気に入りで、宮城、東京、名古屋、福岡の店舗はほぼ制覇しています。同店はデザインに優れたオリジナルの宿泊カプセルやラウンジを備えていて、どの店舗でも上質な宿泊体験が楽しめます。それでいて、宿泊料金は2,000円〜というお手頃さも魅力です。

ナインアワーズの宿泊カプセル
まるで宇宙船のような、ナインアワーズの宿泊カプセル。

このように新しくできたところや、少し変わった工夫を凝らしているカプセルホテルは、ときにビジネスホテルよりも快適なことがあります。個室じゃなきゃイヤ……と思わず、進化したカプセルホテルを候補に入れ、宿を選ぶのも楽しいかもしれません。

宿選びにおいては、どのエリアの宿にするかは、ヲタの遠征でなくとも悩ましいところでしょう。私の場合、現場後のヲタ同士のオフ会(コロナ禍の影響でできなくなってしまいましたが)も遠征の楽しみのひとつなので、繁華街の近くを宿泊地とすることが多いです。福岡ならば、日本有数のカプセルホテル激戦区であり、周辺に飲食店の多い中洲が第一候補です。

もちろん、現場へのアクセス性も宿選びの重要な要素です。とくに早朝から始まる現場に臨む場合は、現場に近い宿が選択肢に入ってきます。東京ならば、ライブハウス密集地隊の渋谷、新宿周辺が早朝イベントに参加しやすくて便利です。

地方の小さな町では、予算を少し増やすと、一気に上質な宿が見つかることもあります。小さな町では宿が少なくなるので、その町の相場の宿泊価格にもかかわらず「んん?」と感じるクオリティの宿にあたることも少なくありません。小さい町では(さんざんカプセルホテルをおすすめしておいて説得力がありませんが)、宿泊費をケチりすぎない、という考えも必要なのです。

コロナ禍以降のホテルでの過ごし方

コロナ禍以降、感染拡大が落ち着いた隙に出かけた遠征先では、ホテルで時間を過ごすことが多くなりました。かつては現場の後、ヲタ仲間と飲みに行き、地元のグルメを堪能していたのですが、気軽に飲みに行けなくなってしまったからです。そこで、持て余した時間を活用するべく、現場の感想をYouTubeにアップし始めてみたのですが、この活動が新たな出会いをくれたのは、新鮮な体験でした。

Twitterでつぶやくだけでは出会えなかった若いアイドルファンから、現場で声をかけてもらえるようになったのです。10年以上アイドルヲタとして、あちこちの現場に足を運んでいますが、まだまだ新たな発見はあるんだと感じます。遠征先で、現地からすぐに届ける感想だからこそ、伝えられるものがあるのかもしれません。YouTubeでの試みはこれからもしばらく続けようと思っていますので、よければぜひご覧ください。

現場も、遠征も、私も変わる。それでもドルヲタの喜びは変わらない

と、ここまで私の遠征プランづくりのいくつかをご紹介してきましたが、皆さまお察しのとおり、アイドルヲタ人生のほとんどを、遠征という「移動」に費やしてきました。私にとって、移動とは出会いです。スマートフォンやPCの中では得られない出会いが、移動の先にある。こんな思いに突き動かされ、東西南北走り回ってきたのです。

こうした出会いを求める情熱は、いまも変わりませんが、幸運にも結婚し、子どもを授かる機会に恵まれライフステージが大きく変わったことで、情熱のありようはいくばくか変化しました。

それまでは、とにかくたくさんのアイドルをこの目で見て感じたい、と多くの現場に足を運んでいました。しかし、徐々に「子どもに安心して観せられるアイドルか」「子どもイベントに連れていけるアイドルだろうか」とアイドルを見る視点に変化が出てきたのです。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大も、私の現場観に無関係ではありませんでした。妻が医療従事者であり、保育園に子どもを預ける立場の親なので、おのずと参加する現場の数は激減していきますし、現場選びそのものに影響します。感染拡大が少々の落ち着きを見せた隙に、どこかの現場に足を運んでみようか考える際、会場の感染症対策が非常に気になるようになったのです。ソーシャルディスタンスの確保や換気を考慮し、野外やホール、アリーナで、なおかつ指定席という条件で現場を選ぶようになったことも大きな変化でした。

アイドルファンで埋め尽くされたアリーナ
いつかまた、こんな熱狂的な現場が戻ってくることを願ってやみません。

いま、私が探し求めているのは、「家族で安心して遠征できる現場」かもしれません。私にとって、アイドルを追いかける活動は、この先も変化していくと思います。しかし、遠征は常に人生の大きなテーマであり続けるでしょう。

社会の変化によって、「会いに行けるアイドル」というフレーズは過去のものとなりつつあります。しかし、私の原点が現場にあることは変わりません。コロナ禍以降、ネット上でアイドルとの出会いを求め試行錯誤を繰り返しましたが、「現場での出会い」を超える情報量と豊かな体験を与えてくれる方法はまだ生まれていないと感じます。現場系オタクは足を動かしアイドルに会いに行く。そして、その過程で新たな出会いと発見を得る。この本質を違えることなく抱き続け、これからの社会と私の人生に最適化された移動と出会いを追求したいと考えています。

著者:ガリバー
アイドルのライブに通い始めて16年。メジャーアイドルからインディーズ、地方アイドルのライブや握手会に、大阪から全国に足を運んでいます。最近の「推し」は乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の坂道シリーズです。
Twitter:@gulliverdj
Instagram:gulliverdj


編集:はてな編集部

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