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ドライブ大好き温泉オタク、標高2000mの秘湯「高峰温泉」を満喫してきた

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<この記事は10分で読めます。>

(※取材は、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じた上で、6月26日〜6月27日に実施しました)

はじめまして、ながちと申します。平日は会社員をしながら、休日にせっせと温泉へ出かけている温泉オタクです。Twitterやブログで温泉情報を発信していて、2020年11月には初の著書「女ひとり温泉をサイコーにする53の方法」を出版しました。

私はひとりで温泉旅行をするとき、もっぱら車派です。

公共交通機関を使えば、日本中のほとんどの温泉にたどり着けます。でも、行きにくい場所にもいい温泉は湧いているもの。アクセス難の温泉をめがけて、何時間も電車に揺られたり、1日数本の町営バスを待ったりするのは、ちょっとしんどいですよね。

今回はドライブに抵抗のない方におすすめな、東京都心から長野県への1泊2日温泉旅行の旅をご紹介します。

<この記事の目次>

  1. せっかく車で行くなら、ズンズン山道を運転して秘湯に行きたい
  2. あこがれの絶景露天はもちろん、内湯も絶品な高峰温泉
  3. 中央アルプスなど雄大な山々を眺めながら、山のごちそうをいただく
  4. 2日目は、島崎藤村ゆかりの宿「中棚温泉 中棚荘」で日帰り温泉+昼食プラン
  5. 芒硝(ぼうしょう)香る、つるとろ美肌湯。隠れた名湯が小諸に
  6. 休日に行くドライブ温泉旅行、一番の魅力は“ストレスフリー”

せっかく車で行くなら、ズンズン山道を運転して秘湯に行きたい

今回レンタルしたのはトヨタのタンク。ふだん軽自動車に乗る私にも運転しやすいコンパクトカーです。

クルマ

運転にはサングラスが必須。見た目はかなりいかつくなってしまう

今回の目的地は、東京から約3時間の長野県小諸市にある「高峰温泉」。標高2000m地点にある絶景露天風呂が魅力で、何度も雑誌で見かけたあこがれの宿です。小諸ICから30分ほどに位置しているので、私のようなサンデードライバーにも優しい道のりと言えそう。

1泊2日のドライブ温泉旅行に行くときは、朝ごはんをしっかり食べて、お昼はSA/PAでおやつをさくっといただきます。1日目の午前中は運転だけなので、あんまりお腹が空かないんです。メインは宿でいただく夕食なのでお腹を軽くしておきたいのと、ファミリーやグループ客の多いSA/PAでのひとり飯はやや気後れするので、お昼をガッツリ食べないことが割と多いです。

いももち

上里SAのいももち。通るたびに毎回寄って食べる美味しいおやつです

ひとりドライブは、ゆったりと音楽を聴くリフレッシュタイムでもあります。いつも通勤中や仕事中に聴くときとは違い、運転に集中しながらも、余裕のある雰囲気で音楽を楽しめているような気がします。

ただし、「あーいま、この曲じゃないな」と思っても、助手席で選曲してくれる人がいないのがつらいところ。だから安全のためにも、事前にSpotifyでドライブのプレイリストを作っておくようにしています。

ちなみに私はいつものドライブでこんな曲を聞いています。よくあるドライブのアゲな曲ではなく、ひとりでまったりするための音楽が多いかも。

― さらしもの(feat.PUNPEE) / 星野源

― ねずみ浄土 / GRAPEVINE

― Who am I / Creepy Nuts

さて高峰温泉を目指して、小諸ICを降り、「浅間サンライン」「チェリーパークライン」といった山道をぐわーっと登っていきます。山道といっても、きついカーブの連続ではなく、サンデードライバーにも超優しい道のりでした。

秘境過ぎる温泉はガードレールもなく舗装もされていない一方通行の道を延々と走らされることもありますが、高峰温泉へは90%以上が片側一車線できれいに整備された道路。ぐわんぐわんと登っていきますが、ヒヤリとするような険しさはありませんでした。

車窓の景色

木々のトンネルをくぐり抜けていきます。ここからどんどん急な上り坂へ

景色

ようやっとたどり着いた!と思ったら、左手に街を一望できる絶景が

東京を10時に出発すれば、ゆっくり向かってもチェックインの15時前には余裕で到着できます。

あこがれの絶景露天はもちろん、内湯も絶品な高峰温泉

まずはチェックイン。エプロンを身に着けた山小屋スタイルのスタッフさんに温かく迎え入れられます。受付の前には登山・ハイキング客向けのアイテムが揃っていました。スタッフさん曰く、「ハイシーズンだと登山・ハイキングのお客さんは半分くらい。残りの半分が温泉目当てでいらっしゃいます」とのこと。

高峰温泉

高峰温泉外観。しっかりした造りでペンションのよう

館内にはたくさんのアウトドア用品。一部購入もできる

ランプの宿内館

「ランプの宿」とも言われる高峰温泉。吹き抜けに吊るされた美しいランプたち

温かみのある木造りの館内には、やわらかに灯るランプや季節のお花の写真が飾られていました。清潔で手入れの行き届いた山小屋感に、心身がほっと落ち着きます。

高峰温泉お部屋

泊まった客室は「池ノ平」

山に面した開放的な客室でした。チェックイン時にすでにドーンと敷いてあるお布団、最高。まずはここにダイブして、体を伸ばすのが最初の贅沢ですよね。

一息ついたあと、いよいよ噂の絶景露天「雲上の野天風呂」へ。夜間は危険なので、入浴時間は7時〜18時までに限定されています。天候により入浴できないこともあるので、雨男・雨女諸氏は天への祈りをお忘れなく。

カゴ

浸かるときはカゴを持っていくのがルール

露天風呂は男湯・女湯いずれも4人定員。「いま何人入っているか」はカゴの数を見て判断します。カゴがないときは誰かが戻ってくるまで待たないといけません。

湯に入るべく、カゴを手に外に出ます。

高峰温泉山道

50mほど山道を歩いた先に、「女ゆ」「男ゆ」の看板が!

高峰温泉「雲上の野天風呂」

ついにたどり着いた、「雲上の野天風呂」

見てくださいこの開放感。すげー。これはもうね、写真そのままの温泉体験でした。誇張も嘘もなく、大自然の中にどーんと設われた露天風呂に、ざぶんといけちゃいます。

シャワーはもちろんないので、じっくりかけ湯をしてから浸かります。

白濁し過ぎていないことから新鮮さが伺える、ややぬるめな源泉かけ流し(※温度を保つために加温されています)。硫黄のにおいがふわふわしてきて、肌触りはつるやか。湯量たっぷりで、体を沈めると湯船から温泉が地響きのような音をたて流れ出すのもすばらしい。泉質は「含硫黄 – カルシウム・ナトリウム – 硫酸塩泉」で、成分しっかりの濃厚温泉と言えます。

10分ほど浸かっていると、濃厚温泉であるがゆえに体がとろりとするような心地よい湯疲れを感じます。最高のロケーションを長く楽しみたい露天風呂ですが、体調に合わせ、長湯し過ぎないようにご注意を。

高峰温泉 内湯

露天風呂を満喫したあと、内湯にも行ってみた

野天風呂はもちろん、内湯にもグッときました。宿の1階と2階に大浴場があり、それぞれ源泉に手を加えず、そのまま注がれている湯船と、加温の湯船が敷かれています。1階の源泉は33℃、2階の源泉は37-39℃ほど。1階と2階で加温された湯船との仕切りを調節することで、より自分の好みの温度の方に浸かれるのがすばらしい工夫でした。

高峰温泉「ランプの湯」

1階の「ランプの湯」が一番のお気に入りでした(写真左側が加温された湯船)

私のおすすめは1階にある33℃の源泉湯船。何時間でも浸かっていられそうな温度です。この源泉の、お肌にアワがつくほんのり微発泡、白くて細かな湯の花、つるとろ浴感といったら。大好物過ぎる。あたたかい時期は、こういったぬるい温泉に何時間でも浸かれる“旬”のシーズンなので、夏の高峰温泉はおすすめです。

ちなみに湯守のご主人曰く、「露天風呂はもちろん人気だが、常連さんは内湯派」「紅葉シーズンが一番人気」だそうです。なるほど〜〜。

中央アルプスなど雄大な山々を眺めながら、山のごちそうをいただく

わくわくの夕食タイムです。食事処で他のお客さんと一緒にいただきますが、それぞれのテーブルで仕切りを置くなどして、ソーシャルディスタンスの確保に注力されていました。

高峰温泉食事処

食事処。窓の向こうには中央アルプスや御嶽山などが見える

高峰温泉夕食

丘ひじきの胡麻和え、刺し身こんにゃくなど、山の幸がいっぱい

地ビール

いただいたのは地ビール「ヌーベルセゾン」。うま!

高峰温泉_長芋白煮・鴨黄味煮

長芋白煮・鴨黄味煮。濃厚な衣とあっさりした鴨の肉が相性ばっちり

高峰温泉夕食「季節野菜の天ぷら」

一番印象的だったのは「季節野菜の天ぷら」

山独活(やまうど)、またたび、はんごん草など、山の温泉宿だからこその天ぷらをいただけました。それぞれ苦味がしっかりしていたり、香りが豊かだったりと、素材の違いを楽しみながら味わえました。

高峰温泉朝食

朝食はやや控えめで、大人に優しいラインアップ。焼き魚、蒸し野菜、温泉卵などでお米をしっかりいただきました。

高峰温泉での1泊は、標高2000mのロケーションながら、まったく不便を感じさせない設備とおもてなしで感動しました。客室内でしっかりWi-Fiが入り、どこもかしこも手入れが行き届いていて清潔。「ランプの宿」とはいえ、電気もちゃんと通っているので安心して滞在できます。いつでも新鮮な温泉に浸かれて気持ちよかったなあ。ひとりで宿泊する際は、宿泊の1週間前から予約できるそうです。

2日目は、島崎藤村ゆかりの宿「中棚温泉 中棚荘」で日帰り温泉+昼食プラン

高峰温泉をチェックアウトし、帰り際にもう一湯。延々と山道を下った先にある、小諸市街地からほど近い「中棚温泉 中棚荘」へ向かいます。

中棚温泉 中棚荘

生い茂る緑に隠れるようにして佇む、中棚温泉 中棚荘

中棚温泉 中棚荘は、明治31年創業の老舗の温泉旅館。敷地内の食事処「はりこし亭」は登録有形文化財に指定されているなど、歴史深く情緒のあるお宿です。

中棚荘フロント

フロント近くの休憩スペース。島崎藤村ゆかりの宿とあって、本棚が充実

中棚荘大正館

食事処である大正館。館がいくつか分かれていて、散策するのが楽しい

中棚荘大正館食事処

食事は一組ごとにふすまで分けられている個室でいただく。朱色のテーブルと椅子がお出迎え

まずは宿泊客・日帰り温泉客が食事をいただく「大正館」へ。ふすまや柱など、ところどころに古くから大切に使われてきた様子がうかがえます。窓の向こうには美しい木々と、小諸に住む方たちの暮らしがちらりと見え、小さな逃避行にきたような気持ちに。

食事は一品一品ゆっくりと持ってきてくださるコース料理スタイル。それぞれに盛られた食材や料理の工夫を教えてもらう時間がなんとも贅沢です。器一つ一つもかわいらしく、昼食といえども、こだわり抜かれたものなのだと感じます。

中棚荘昼食_信州サーモン黄身酒盗和え

信州サーモン黄身酒盗和え。この黄身酒盗の濃厚な旨味がサーモンとよく合う

中棚荘自家製うめジュース

ドリンクは自家製うめジュース。とろとろだけど、ほどよい酸味でスルっと飲める

中棚荘_釜炊きごはん

目の前で炊かれたお米ほど美味しいものはない……

中棚荘昼食_甘酒あん茶碗蒸し

一番印象的だったのは「甘酒あん茶碗蒸し」

どれも本当に美味しかったのですが、特筆したいのは「甘酒あん茶碗蒸し」。甘酒の香がただよい、ほろほろの麹とつるんとした茶碗蒸しの食感がよく合いました。うなぎ・よもぎ麩・百合根・枝豆などが入っていて、紋切り型のような茶碗蒸しでなく、一つ一つ選ばれた具材で作られている点もすばらしかったです。

芒硝(ぼうしょう)香る、つるとろ美肌湯。隠れた名湯が小諸に

昼食を食べ終えたらいざ温泉へ。中棚荘の名物である、温泉にりんごを浮かべた「初恋りんご風呂」は毎年10〜5月に浸かれます。私が訪れたのは6月だったため、残念ながらりんご風呂には入れなかったのですが、常時浸かれる元々の源泉にパワーがしっかりあったので十分に楽しめました。

中棚荘_石段

大浴場へは石段を登って。運動不足な現代人にはややハード

中棚荘_内湯

ざばざば温泉から溢れ出している、広々新鮮な湯船

中棚荘_露天風呂

石造りの露天風呂。こちらはザーザーと聞こえるほどの排湯量!

内湯は一部循環、露天風呂は源泉かけ流し。泉質は「アルカリ性単純温泉」ですが、硫酸イオンを含んでおり、ほんのり芒硝(ぼうしょう)のにおいがします(形容しがたいのですが、温泉特有の出汁のようなにおいです)。とろみのある肌触りと、源泉温度38℃のぬるめ湯船がマジで絶品。町中にある温泉にもかかわらず、露天風呂もしっかり開けているのが本当に良かったです。

中棚荘_脱衣所

脱衣所の美しさにも注目してほしい

湯船までシームレスに続くような、畳張りの脱衣所も情緒たっぷりでした。

小諸に住んでいたら、疲れた時に中棚荘に駆け込んじゃうだろうなあ。今回は日帰り利用でしたが、次回はぜひ泊まりで訪問したいです。

中棚荘_りんご風呂

初恋りんご風呂の様子(中棚荘HPより)

14時ごろには中棚荘を出て、さくっと帰路へ。18時ごろには自宅に着いて、休日の夜をゆっくり過ごすことができました。

休日に行くドライブ温泉旅行、一番の魅力は“ストレスフリー”

普段あくせく働いている私たちにとって、休日を使った1泊2日の旅行は、少しでもしんどさを取り払うのが一番大切だと思っています。公共交通機関で行けば手軽に安く済むけれど、土日だと混雑に巻き込まれるかもしれませんし、思わぬダイヤの乱れに翻弄されてしまうことも。道すがら見つけた美味しそうなお店に入るのも一苦労です。

特に温泉旅行では、きつい山道を登ったり降ったり、行きたい温泉施設をはしごしたりと、ハードな移動になることも少なくありません。その点、ドライブ温泉旅行はストレスフリー。

私は著書にも書きましたが、さまざまな事情で運転が難しい、という方でなければ、温泉好きは車に慣れておくのがいいと思っています。車という選択肢があれば、出会える温泉の量も質も劇的に変わってくるはず。いい温泉は、行きやすいところにはなかなか湧いていませんから。

今回は長野県の温泉を紹介しましたが、都内からドライブしやすいおすすめの旅行先はこちら。

・さまざまな温泉地や観光施設をめぐりたいなら箱根エリア(神奈川)
・おいしい海鮮と絶景海露天をのんびり満喫したいなら東伊豆エリア(静岡)


まずは電車やバスでも楽しめる箱根にあえて車で行ってみると、普段の旅とはちょっと違った旅程を組めるかもしれません。ぜひお試しください。

(※今回紹介した食事内容は季節によって変わります)

永井千晴(ながち)さん
1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。
Twitter:@onsen_nagachi

編集:はてな編集部

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