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コロナ禍の今、気をつけたい クルマを消毒するときのポイント

コロナ禍の今、気をつけたい クルマを消毒するときのポイント

人との接触をできるだけ減らすことが重要視されるコロナ禍の現在、クルマで移動することが増えた人も多いのではないでしょうか。クルマは他人との接触を避けて移動できるプライベートな密室空間ではあるものの、やっぱり気になるのが除菌や消毒。自分しか乗らないクルマであっても、自分自身が菌やウイルスを持ち込む可能性だってあるはず……。

そこで、クルマをきれいにするプロフェッショナルに、クリーナーの選び方から消毒すべき場所や方法まで、車内消毒のポイントを聞いてみました。今回、お話を伺ったのは、神奈川県川崎市でカーディテイリング事業を展開する有限会社アスナルの代表、宮﨑慎也さんです。

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車内に汚れを持ち込むのは「人間」

――密を避ける移動手段として「クルマ」が注目されていますが、車内も定期的に除菌や消毒をしたほうがいいのでしょうか?

宮﨑:車内は人間が出入りすることによって、さまざまな菌や微生物が持ち込まれ、クルマのエンジンをかけていなくても、気温や湿度の上昇により、それらの繁殖が進みます。

しかも、運転は緊張をともなう行為なので、運転手は手に汗をかくことも珍しくありませんから、油分などのべたつきも出てきます。その手で、いろいろな場所に触れることにより、ますます菌を繁殖させることになってしまうのです。

車内は、家の空間と比較しても汚れやすいと言えます。よく、「携帯電話やスマートフォンの表面には雑菌が多い」と言われますが、車内もそれと同じです。

宮﨑:それに加えて、最近は密を避けるために、食事をする際にドライブスルーなどを選択する人も増えていますよね。車内で飲食をすることで、さらなる菌の増殖を生むことになります。

――パッと見てきれいでも、車内には菌や微生物が増えやすい環境があるのですね。

宮﨑:はい。身体のどこかに菌や微生物を付着させて車内に持ち込む可能性が高いですし、ハンドルやカーナビなど、手で触れる部分も多いですから、決していい環境とはいえません。

実はドアを開けているだけでも、車内の気圧が低くなり、外気が入ってきます。たとえ、身体に付着していなくても、自然と入ってきてしまうこともあるのです。試しに蚊取り線香の煙をたいてみると、車内に煙が引き込まれていくことがわかります。

――雑菌を増やさないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?

宮﨑:できるだけ、“車内で生活をしない”のが原則です。「車内での生活」とは、食事をしたり、くつろいだりということですね。とはいえ、プライベートなクルマの中で食事したり休息をとったりするもの。飲み残しのカップやペットボトル、レシートなどのごみを車内に置きっぱなしにしないように心がけるだけでも、大きく違ってきます。

また、車内に置く物を極力少なくすることも有効です。雑菌はホコリからも繁殖しますから、ホコリがたまる要素は、なるべく少なくしてください。

宮﨑:クルマを所有している人なら、ハンドルやシフトノブなどのベタつきを感じたことがあるでしょう。素手で触ることで、皮脂がついてべたついてくるのですが、べたべたしているのは、菌の増殖が始まっているということ。こうした部分まで気になる人は、手袋をして運転するのも一考です。

――では、ここからは具体的な車内クリーニングの方法についてお聞きします。普段のお手入れとして推奨している方法や、掃除のポイントはありますか?

宮崎:使う洗剤については、特別なものである必要はありません。カー用品で販売されている車内用クリーナーのほか、よく飲食店などに置いてある除菌用のアルコールやアルコール除菌シート、アルコール系クリーナーがあれば十分です。

宮﨑:タオルは、内装を傷つけないやわらかさが特徴のマイクロファイバークロスがおすすめ。当社が車内クリーニングを行うときは、業務用の洗剤を使う場合もありますが、基本はアルコール系クリーナーとマイクロファイバータオルを使います。

普段のお手入れ方法は、クリーナーとタオルの2つを使って“マメに拭くこと”に尽きます。タオルは、乾いているとホコリが飛びやすいので、水で濡らして固く絞ったものを使うといいでしょう。

クリーニングする場所は、手が触れるハンドル、シフトノブ、インストルメントパネル、コンソールまわり、それとウインドウガラスです。家に帰ったときに「手洗い・うがい」をしっかりするのと同じように、クルマに乗るたびに、運転席に座って手の届く範囲すべてを拭くのがベストです。

――タオルで拭くときの“拭き方”にポイントはありますか?

宮﨑:拭き方のポイントは、拭き取りたい場所の上から順に、タオルの面を一定方向に動かすようにすること。右左右左ではなく、右から左に向かって拭いたら次も右から左、といった具体です。ゴシゴシと拭いたものを何度も往復させてしまうと、せっかく拭き取った菌を再び塗り付けてしまうことになりかねません。

宮﨑:シートやヘッドレストも手で触ることが多い場所なので、ガラスやハンドルと同じようにアルコール系クリーナーを堅く絞ったタオルにかけて拭き取りましょう。

レザーやファブリックなど、シートの素材に関わらず同じ方法でOK。「レザーシートでも同じで大丈夫?」と思われるかもしれませんが、長時間アルコールにさらすわけではないので、問題ないと言えます。しっかり除菌ができることの方が大切でしょう。シートやフロアマットなど、ホコリが入り込みやすい素材の部分は、マメに掃除機をかけてホコリを溜めないようにしてくださいね。

宮﨑:後席に人を乗せない場合は、シートの裏側など、手であまり触れない場所を隅々まで拭く必要はありません。重要なのは、あくまでも手で触れる場所。運転席・助手席ともに、ドアノブやドアトリムなども忘れないでください。また、帰宅後は、うがい・手洗いを忘れずに行いましょう。

マメなクリーニングで車内を清潔に保とう

アルコールでこまめに除菌。ごくごく当たり前のようですが、この原則はクルマの中でも同じです。毎日のようにクルマに乗っていると、ついついお掃除はあと回しになりがちですが、車内にクリーナーとマイクロファイバークロスを常備して、こまめな除菌清掃を心がけたいものです。宮崎さんは「ドアポケットにクリーナーとタオルを入れておくといいですよ」と話していました。

「運転前に手の届く範囲を除菌する」「クルマを降りるときは必ず、車内のごみを持ち帰る」。この2点を覚えておいて、他人との接触を避けての移動が可能なクルマを、さらに安心できる空間にしてくださいね!

取材・文:先川知香 編集・写真:木谷宗義(type-e)+ノオト

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