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「バッテリーが上がる」ってどういう状態? 「下げ方」ってあるの?

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「バッテリーが上がってクルマが動かなくなった」

「バッテリーが上がったからロードサービスを呼んだ」

クルマを使っている人の中には、そんな経験をした人もいることでしょう。普段運転しない人も、クルマを使う知り合いからそんな話を聞いたことがあるかもしれません。では、“バッテリーが上がる”とは、いったいどんな状態なのでしょうか?

バッテリーが上がった状態を専門的な用語でいうと、「過放電」といいます。わかりやすくいうと、バッテリー内に蓄えている電気が少なく、クルマの電気装備を動かすためのエネルギーが足りない状態です。

ピンとこない人は、スマホでイメージしてみるといいかもしれません。しっかり充電したスマホも、ずっと使っているとバッテリーの残量が減っていき、最後は何もできなくなります。“バッテリーがなくなった”と言われる状態ですね。これがまさに「バッテリーが上がった」です。

なぜバッテリーは“上がる”というの?

バッテリーは漢字で書くと「電池」で、これは“電気をためる池”という意味が込められています。電池を「池」、電気を「水」にたとえ、電池の中に電気のエネルギーがたまっているイメージですね。

そして、バッテリー上がりは電池から電気がなくなる、つまり池から水がなくなってしまうこと。“池が干上がる”というわけです。諸説ありますが、これが「バッテリーが上がる」といわれるようになった語源に当たるとされています。

自動車のバッテリーは12Vの鉛蓄電池が一般的

ちなみに、上がったバッテリーを充電する方法はありますが、それは「バッテリーを下げる」とか「バッテリーが下がる」とは言いません。バッテリーは“上がる”けれど、“下がる”ことはないのです。不思議ですね。

では、バッテリーが上がると、どうなるのか?

もっともわかりやすいのは、エンジンがかからなくなることです。エンジンは、一般的にスターターモーター(セルモーターとも呼ばれる)を使って始動しますが、これを使うには大きな電力が必要。しかし、バッテリーが上がってしまうと十分な電力を供給できないので、スターターがきちんと働けず、エンジンをかけられなくなってしまうのです。

電気残量がより不足し、バッテリー上がりがひどい状態になると、クルマの電装品がまったく機能しないことも。キーをひねったりスタートボタンを押したりしてもクルマがまったく反応せず、ときにはリモコンドアロックすら作動しなくなることもあります。

電力が極端に不足するとドアロックすら動作しなくなる

また、エンジンがかけられない状態までは至らなくても、バッテリーの電気残量が減ることで「ヘッドライトが暗くなる」「アイドリングが安定しなくなる」といった症状が起こることも。さらに、アイドリングストップ装着車では、アイドリングストップが作動しなくなる場合もあります。もし、こんな症状が出たら、何らかの対策を取らなければいけません。

バッテリー上がりはどうして起こる? 上がらないようにするには?

バッテリー上がりが起こる理由は、大きく2つ。ひとつは、バッテリーの充電量よりも電気の使用量のほうが多いとき。貯める量よりも使う量が大きければ、電気がなくなってしまうのは当然ですよね。

それを防ぐには、バッテリーが適切に充電されるように努めること。たとえば、長時間クルマを使わないでいると、バッテリーが上がってしまうことがあります。理由は、クルマはエンジンを止めた状態でも、常にわずかな電気を消費しているから。暗電流(あんでんりゅう)といって、家電品でいう待機電力と同じようなものです。

駐車中でも少しずつバッテリーの電力を消費している

バッテリーが適切に充電されるようにするには、定期的にクルマを使うことが大切。そう、クルマのバッテリーは走行中に充電されているのです。少なくとも2週間に1度は、クルマを動かすように心がけるといいでしょう。クルマを止めたままにしておくと、1カ月とたたずにバッテリーが上がり、エンジンがかからなくなることもあります。

また、クルマを頻繁に使っていても、1回の走行距離が短い場合や走行環境がシビア(低速走行やアイドリング状態が多い)状況では、充電が十分にできないこともあり、バッテリー上がりの原因になります。クルマは定期的に使用し、ときには渋滞のない道を少し長め(できれば10km以上)に走るのが理想です。

気を付けたいのが、クルマを止めている間のヘッドライトやルームランプの消し忘れ。照明類は意外と消費電力が多く、たった数時間でバッテリーが上がってしまうこともあります。

ルームランプの消し忘れでバッテリーを上げてしまうことも……

同様に、クルマのスイッチの状態を、エンジンは掛けず電気だけを流す「ACC(アクセサリー)」にして、車内でテレビを見たりオーディオを聞いたりしていると、電気を多く消費して驚くほど短時間に、エンジンがかからなくなることもあるから気を付けましょう。また、クルマの発電装置(オルタネーター)の故障でも充電不足になります。これは発電装置を交換するしかありません。

もうひとつは、バッテリーの寿命。スマホもそうですが、クルマのバッテリーも使っているうちに劣化し、貯められる電気の量が減ってきます。性能が低下すると、バッテリーを新品に交換しなければなりません。

バッテリーは負担が大きい状態で使うと、劣化が進みやすくなるもの。定期的にクルマを走らせていても、近距離走行が多い人は、ときには長めにクルマを走らせてバッテリーの寿命を延ばすよう心がけるといいですね。

もしも上がってしまったら、回復させる方法はある?

いきなりエンジンがかからなくなってしまうと焦ってしまいますが、発電装置の故障でなければ、充電により回復、もしくは一時的にクルマを使えるようになることがほとんどです。

その際はバッテリー充電器を接続してバッテリーを充電するほか、「ブースターケーブル」と呼ばれる専用の電源コードを使ってほかのクルマから電気を供給するか、簡易的な電源供給装置から電源を送ることでエンジン始動(システム起動)を行います。しかし、道具や知識がないとできないので、困ったらJAFや自動車保険のロードサービスを呼ぶのがいいでしょう。

ブースターケーブルを使って他車のバッテリーから電力を供給する

バッテリーは、充電器などを使って充電して回復する場合もあります。しかし、バッテリー自体の劣化が進んでいる、もしくはバッテリー上がりによって大きなダメージを受けてしまっている場合は、交換が必要です。

バッテリーの寿命は使い方により大きく変わってきますが、一般的に2~3年程度と言われていますから、「何年も変えていない」という人は気をつけておいたほうがいいかもしれません。もちろん、バッテリー上がりの原因がクルマの発電装置のトラブルにある場合は、修理は交換が必要。

ハイブリッド車だと違う部分はある?

ハイブリッド車であっても、システムの起動や電気装備品は一般のクルマと同様のバッテリー(ハイブリッド車では補機類バッテリーと呼ぶ)を使っているので基本的に変わりません。バッテリー上がりは起きますし、クルマを動かせなくなります。

ハイブリッド車は走行用バッテリーのほか、電気装備品に電力を供給する補器類バッテリーを搭載する

そして、バッテリーが上がったときも一般的なクルマと同様に、ほかのクルマや専用の電源供給装置を接続して電気を送り、システムを起動することも可能です。

一方、ほかのクルマを助けるときには注意が必要。ハイブリッド車は、ほかのクルマへ電気を送れない車種が多いので、基本的にバッテリーが上がったクルマを助けられないのです。

バッテリーを上げないようにするために

先にも説明したように、何週間もクルマを使わなかったり、頻繁に使っていても近距離走行ばかりだったりすると、充電不足になりがちです。また、ヘッドライトやルームランプなど電気の消し忘れにも注意。ただし最近は、ヘッドライトは自動消灯、ルームランプも一定時間がたつと自動的に消灯してバッテリー上がりを防ぐようになっているクルマも増えているので、そういうクルマは安心できます。

充電のためにもたまにはドライブに出かけよう

ハイブリッド車など一部の車種は、補機類バッテリーの充電が足りなくなってくると、ディスプレイにメッセージが表示されます。そのメッセージが現れたときは、オーディオやエアコンの使用を控えるなど、電力消費を抑えるとともに、幹線道路や高速道路などスピードが高めの道を少し長めに走行して、バッテリーを充電しましょう。

どんなに高性能で快適なクルマであっても、バッテリーが上がるとクルマを動かすことはできなくなってしまいます。そうならないために、クルマの使い方にちょっとだけ気を遣ってみてくださいね!

文:工藤貴宏 編集:木谷宗義(type-e)+ノオト

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