COLUMN コラム

バイきんぐ西村の「本気のキャンプ」について行ってみた。焚き火と道具への愛。そして、なぜかキャンプで気づいた小さな幸せの話になった

この記事をシェアする

<この記事は20分で読めます。>

「ソロキャンプ」という言葉が流行語のトップ10に選ばれるほど、近年盛り上がりを見せています。この便利な世の中で人はなぜ、あえて不便な地へ足を踏み入れてキャンプを楽しむのでしょうか?そして、この「あえて不便」を徹底的に楽しんでいるのが、お笑いコンビ「バイきんぐ」の西村瑞樹さん。キャンプをこよなく愛し、「2日休みがあれば絶対キャンプに行く」「もはや仕事はほとんどキャンプ関連」と豪語する西村さんだけに、キャンプ場での過ごし方やギア(道具)に、並々ならぬ情熱を傾けています。西村さんのこだわりのキャンプ、見たい。見たいぞ。

ならば見せていただきましょう。今回は車にキャンプ道具をこれでもかと積み込み、西村さんと実際にキャンプに行き、「ソロキャンプ」の魅力を根掘り葉掘り深堀りしてみます。今回の西村さんの相方は、キャンプに精通したブロガー佐久間亮介さんです。

西村瑞樹さん
1996年、小峠英二さんとともに、お笑いコンビ「バイきんぐ」を結成。5年ほど前からキャンプにはまり、現在では自分で山を購入し楽しむほどに。尋常ではないほどに情熱を注いでいるが、始めた理由は「当時、全然仕事がなくてヒマだったから」とのこと。現在ではキャンプ関連のTV番組に出演しまくる。自身のYouTubeチャンネル『CAMP西村チャンネル』でもキャンプ情報を発信中。
Twitter:@vikingnishimura


聞き手:佐久間亮介(通称さくぽん)
キャンプ好きが高じ、日本一周キャンプの旅をキッカケにフリーランスに。今までに泊まったキャンプ場の数は300ヶ所以上。キャンパーのための情報ブログを共同運営。tent-Mark DESIGNSより自身がプロデュースしたソロキャンパー向けロッジ型テントの「ガレージテント」が発売中。
Twitter:@sakumanx


<この記事の目次>

  1. 西村さんのこだわりを“すべて”クルマに積んでみた
  2. 到着!西村さんのキャンプギア、じっくり見せてもらった
  3. キャンプで過ごす1日を、少しでも充実させる。それが西村の流儀
  4. 火と俺の一対一の勝負。西村流キャンプの極意、「キャンプは焚き火のためにあり」
  5. 焚き火とトンテキと、バターの暴力
  6. キャンプをやって気づいた、小さな幸せ

西村さんのこだわりを“すべて”クルマに積んでみた

今日はよろしくお願いします!西村さんのお気に入りキャンプギアがたくさん積めるようにでかいクルマを準備しました。さっそく、ガンガン積んでいきましょう!

朝からテンション高いね。昨日必死で荷物まとめといたよ。量あったから大変だったよ。

ひと通り積み終わりましたかね。まだだいぶ余裕ありますね。もっと持っていきましょうよ。

余裕っていうかスカスカじゃねーか。クルマがでかすぎるんだよ(笑)。ソロキャンプだったら荷物増やしてもこんなもんだよ。

そうですね(笑)。普段はどのくらいの荷物を持っていくんですか?

たまに嫁さんと行く以外は、基本はソロキャンプだから、そこまで大荷物にはならないね。

芸人さん同士でキャンプを楽しまれている「焚火会」のメンバーとキャンプするときも、道具はソロってことですよね。

そうそう。みんな、それぞれで自分のキャンプ道具を持っているね。

今回は、どんな荷物も持ってきて頂いたのか、楽しみです。早速キャンプ場へいきましょう!

到着!西村さんのキャンプギア、じっくり見せてもらった

いいところだねー。

今回は千葉県山武市の有野実苑オートキャンプ場にお邪魔しました。木々の配置が絶妙で、キャンプサイトは程よくプライベート感がありますよね。

広さも十分だね。ここなら思う存分ギア使えそう。

荷物降ろしてみましょうか。

こうして広げてみると、結構持ってきたね。

今回は、どんなコンセプトでギアを選んでくれたんですか?

今回は、車が大きかったから、いつも使うアイテムに加えて、ちょっと多めに準備したかな。荷物だけじゃなく、薪をたっぷり積めるのが嬉しいね。ここにあるのは、キャンプを始めたばかりの頃に買ったアイテムから、最近買ったものまで、今まで購入したキャンプ道具の屍を越えてきた精鋭たちだよ。

生き残った猛者達ですね。ギア選びの基準って何かありますか?例えば好きなブランドがあるとか。

好きなブランドは特にないね。ブランドよりも、見た目と機能性が大事。それに、長く使えることも。僕ね、道具を育てたいのよ。昔、少年野球をやっていたとき、グローブを段々と自分の型にしていくのが好きだったんだけど、キャンプ道具を育てるのも、それに似た感覚かな。

道具を育てるって視点、わかります。使い込んでいくほど味が出るランタンとか、いいですよね……最高です。 キャンプ道具にハマることを「キャンプ道具沼」なんていいますが、いきなりゲスな話ですけど、キャンプ道具に今までいくらくらい使いました?

いきなりだな(笑)。たぶん150〜200万くらいかなぁ。気づいたら道具沼に堕ちていたよ。最初、ヒロシさんにキャンプにつれていってもらったときに、YETIのクーラーボックスと、テントはモンベルのクロノスドーム。モンベルのダウンシュラフとマット、SOTOのガスバーナー、ヘリノックスのチェアとザックを合計20万円分くらい買って。俺、形から入るタイプだったから(笑)。で、一式持っていったらヒロシさん驚いてたな。「こいつ本気だ」って。

いきなり20万はすごいですね。それでは、そんな選りすぐりのキャンプギアを展開してみましょうか。

まあまあちょっと待ってよ。一息入れてからやろうよ。

お、コーヒーですね。いい香り。

だいたい、キャンプ場につくとまずはリラックスするのね。せっかく気持ちいいとこに来たんだから。クーラーボックスに座って、ぼーっとしてたいの。僕は「何もしない」時間がほしい。木が揺れるのをただ見ていたり、鳥が鳴いているのを聞いていたり。

キャンプに来てまで慌ただしくしたくないですもんね。

そうそう。コーヒー淹れたり、運転がなければビール飲んだり。キャンプって日常だと、時間をかけられないことにもたっぷり時間がかけられるじゃない。コーヒーだって、家にいて仕事のこと考えていたら、わざわざ豆を挽くところからやってられないじゃん。時間に追われたりして。あ、お湯が湧いたね。

そのケトル、煤(すす)だらけでいいですね。使い込まれて、育ってますね。

これはGSIというブランドのグレイシャーケトル。ケトルはこれで3つ目かな。ケトルのこだわりはね、持ち手が自立するもの。火の上に吊るしやすくなるからね。あと、フタが棒なんかで引っ掛けて開けやすい形なのも気に入っているポイント。

細かくこだわりがありますね!

では、早速コーヒーを。ミルに豆を入れて、一定のリズムで挽く。自分で淹れるコーヒーは、濃い目でガツンとくるような味わいにするかな。あとはお湯を注ぐだけ。ふわっと香ってくるコーヒーの香りを感じながら、自然を前にのんびりする。最高の時間だね。

あくせくしないで、じっくりコーヒーの準備をして、自然の中でのんびりとする。まさしくキャンプの醍醐味ですね。あれ、そのカップは?

あ、これ?これ、アウトドアブランドのものじゃないんだよ。相方の小峠がアメリカに行ったときに買ってきてくれたお土産なんだよ。アメリカの刑務所に収監されていた人たちが使っていたマグカップのレプリカらしい。

せっかく小峠さんにもらったものも、飾ったりせずガンガン使うんですね。

カップは飾らないでしょ。サイズもちょうどいいし、使い勝手がいいのよ。

では、コーヒータイムも一段落しましたし、改めてキャンプサイトを設営しましょうか。

テントが立ち上がりましたね。そして、テントかっこいい!チラ見えするインナーのイエローがいいですね。

さすが、わかってるね!これはヒルバーグのUNNA(ウナ)っていうモデルで、けっこう高かったけど一目惚れして買ったんだよね。色合いと見た目のかっこよさに加えて、インナーとフライシートが一体になっているから、設営と撤収も楽なんだよ。一人で使うには広さも十分だしね。

気になるのはチェアです。お座敷スタイルなんですね。

なるべく焚き火が視界に入る高さで座っていたいから。これはクレイジークリークのエアーチェアプラス。実は前に焚き火で穴を空けちゃったことがあって、これは2代目だね。いまは上から難燃素材のカバーをかけて使ってる。でもって、チェアの下には……。

マットレスも敷いて快適仕様ですね。

1枚のマットレスを自分でカットして、折りたたんで厚みを調整できるのよ。とにかく、僕のキャンプは焚き火が中心。焚き火を楽しむために、チェアとかを配置しているんだよ。だから、こういう低めのスタイル。マットレスはシュラフの下に敷くクッションにも使っているよ。

せっかくなので、西村流キャンプサイトのギアをじっくり見せてください。

さっきも紹介したクレイジークリークのエアーチェアプラスでしょ。テーブルは196の【ひのき】ソロキャンプテーブルとSOTOのフィールドホッパー ST−630。チェアに合わせて、ローテーブルタイプを使うことがほとんど。

寝袋はモンベルのダウンハガー800 #1で、その下にチェアをマット状にして敷いている。他にモンベルのマットを使うこともあるけどね。さらにその下に敷いているのは、サーマレストのZライトソルね。

ガスバーナーは定番のSOTOのウインドマスターシリーズとカセットボンベタイプのもの。あとはガストーチ、アルコールストーブ、固形燃料用ストーブも含め、ポーチにひとまとめにしている。でね、雰囲気作りに欠かせないのがE.Thomas & Williamsのランタン。真鍮製なので、こいつも使えば使うほど、いい風合いになってくると思う。楽しみ。

刃物はひとまとめにしていて、のこぎりは、サムライとバーコ。左上の木のグリップのナイフ2本はオピネルのもので料理に使ってるよ。中央のカーキのグリップの一振りはバトニング(薪割り)用のモーラナイフ、マルチツールはレザーマン。右下のトングは焚き火用で、野良道具製作所の野良ばさみっていうアイテム。で、忘れちゃいけないのがクーラーボックスね。イエティのローディ20というモデルで、もうね、クーラーボックスはこれ以外は買わないっていうくらい気に入ってる。

キャンプで過ごす1日を、少しでも充実させる。それが西村の流儀

できましたね!西村流キャンプサイトの完成ですね!

今回はちょっと豪華めだけどね!厳選した道具たちに囲まれるとめちゃくちゃ幸せなんだよなぁ。

わかります……その気持ち。自分の好きなギアに囲まれた秘密基地感。さて、キャンプ場到着→コーヒー飲みながらのんびり→キャンプサイト設営ってきましたけど、西村さんの普段のキャンプスタイルだと次は何をやりますか?

次は昼飯かな。僕はなるべくお昼前にはキャンプ場に入っていたいの。なぜかっていうと、お昼ごはんもキャンプ場の雰囲気の中で食べたいから。1食でも多くキャンプ場で食事したいの。別に凝ったメニューでなくていいんだよ。たとえば、カップ焼きそばとか。

わかる……。なんで自然の中でカップ麺食べると美味しいんだろう。誰か研究してほしい(笑)。

開放感とか、空気が違うんだよ。うまく言葉では表せないけど、とにかく美味しいよね。言葉ではなかなか伝わらないけれど、ためしに一度食べてもらえば、きっとわかるよ。

同感です。昼はさくっと済ませるのもありだと思います。

そうそう。夕食はちゃんと作りたいかな。で、昼食が終わったら、ちょっと付近を散策したりとか。

カメラで周りの景色を撮影したりもする。

YouTubeの「CAMP西村チャンネル」の動画もそれで撮影しているんですか?

そうだね。最近カメラを新調したんだけど、このカメラはバリアングルモニターで、動画の撮影がしやすいのも決め手だったね。YouTubeの動画は、カメラを三脚に固定して、手元だけずーっと撮ったりするの。ほとんどソロキャンプだからカメラマンいないし。

西村さんが撮影する動画、本当に素敵ですもんね。映像がきれいだし、こだわりが感じられます。撮影と編集って西村さんがやってるんですか?

全部、僕がやってるよ。今日はいろいろ褒められて嬉しい。来てよかった(笑)。さて、そろそろ火をおこすよ。

きましたね。

悪いけど、こっからは本気だよ。焚き火は「火と俺の一対一の勝負」だからね。

なるほど。火と俺の一対一の勝負……。

そんなのメモらなくていいよ。適当に言ってるだけなんだから。

いえ、見出しにします。

火と俺の一対一の勝負。西村流キャンプの極意、「キャンプは焚き火のためにあり」

西村さんのキャンプの一番のこだわりといったら……?

そりゃ断然、焚き火だね。もうね、焚き火のためにキャンプやってるくらいだから。

焚き火最高ですよね。西村さんは、焚き火のどんなところに惹かれてますか?

難しい……。色々あるけど、パチパチと薪が爆(は)ぜる音、炎のゆらめき、マグマのようにテラテラと燃える熾火※……。僕はね、焚き火の前に座っているときが、一番リラックスできる。家のソファよりも。

※熾火(おきび):薪や炭に火が入り、真っ赤になっている状態。

バトニング(ナイフを使った薪割り)は必ずやるんですか?

そうだね。これはルーティンというか。ナイフで薪を割ったり……

フェザースティック作ったり……。

「無」になれる瞬間なんだよね。なかなか日常で「無」になれることってないじゃない。

そうですね。日々慌ただしいと、こんなに無心になれる時間は貴重かもしれませんね。

それから火をつける。着火から、火が安定するまでは、結構こまめに手を加えて火を育てて行く感じかな。焚き火は子育てと似てるかもしれない。

どういうことですか?

最初はすごく手がかかるじゃない?火種に火がついたからといって、そのまま放置していいわけじゃない。手をかけてやらなきゃ、消えてしまう。でも、ある程度火が安定してきて、「熾火の状態までいったら、成人」と。

そうかもしれませんね。

焚き火をやっているときが、一番幸せな時間だよ。焚き火とサシで向き合い寝る直前まで火をくべる。ただただ薪をくべて燃やしていると、どんどん頭が空っぽになっていく。仕事でスベっても浄化される。

座禅みたいですね。西村さんは、キャンプに「無」や「のんびりする、ぼーっとする」を求めているような気がします。

そうかもしれない。自然の中でのんびりして、無になる、空っぽになる、なんてことを相方の小峠に話すと「お前はいつだって頭の中は空っぽじゃねぇか!」って突っ込まれるけどね。とはいえ、僕でも頭の中に残りカスみたいなのがあって、それすらも消え失せて無になれるような感覚があるんだよね。それが焚き火の魔力であり、魅力。

当然、焚き火台にもこだわりが?

いつも持ち歩いているのは、このモノラルのワイヤーフレーム。キャンプにはまり始めたころに買ったものだよ。今回は道具も薪もたくさん運べたので、これも持ってきた。

焚き火台を2台も……?

これはフィビーストーブ アウトドアクッカーっていうんだけど、完全に焚き火観賞用として使っている。ちょっと底の部分を見てみてよ。

鹿が浮かび上がってる!この鹿が購入の決め手だったんですか?

トナカイね。鹿じゃなくて。日が暮れて来た頃に見ると、トナカイの向こうに炎が踊っていて、この可愛さに一目惚れして買ったんだよ。どれ、ちょっと空気を送って火をかわいがってあげようか。

火吹き棒も持ち歩くんですか?

もちろん。火吹きも奥が深いんだよ。火には“ツボ”があって、そのツボに向かって吹くと一気に燃え上がる。テレビの撮影とかでも、共演者にそのツボを教えてあげて、実際に火が安定してくると、すごく嬉しそうな顔をしてくれるんだよ。「わー!きたー!!ここだ!」って。そのときは、なんか嬉しい気持ちになるよね。火吹き棒の良さが伝わった瞬間であり、焚き火の楽しみが伝わっている瞬間だからさ。

そんなこんなで、いつの間にか火吹き棒が8本になっちゃったんだよ(笑)。ヒロシさんはじめ、焚火会のみんなも火吹き棒に魅せられて、いまやメンバーみんな持ってるからね。

(火吹き棒の伝道師……!)今日使っているものが一番のお気に入りですか?

そう。これはファイアーブラスター60といって、最初に買ったものだけど、これはやばいよ。思いっきり吹かなくても、しっかりと空気が出るってのがポイント。重さもちょうどいいし、使い込んでるから木の部分がいい感じに育ってるでしょ。でもね、これがすごく気に入ってるけど、他のものがどんなもんなのか使ってみたくなるわけ。火吹き棒を研究したい!

研究では何がわかるんですか?

少ない息でどれだけの火に影響を与えられるか……とか……?何がわかるんだろうね。

焚き火とトンテキと、バターの暴力

さて、火が落ち着いてきたね。せっかくだから、なにか作って食べようか。

調理器具はいつもどんなものを持ち歩いているんですか?

調味料は塩、コショウ、醤油、オイル類とか基本のものはひとまとめにして常に持ち歩いていて、ほかは何を作るかによって持っていくものを変えてる。あ、ちょっとクッカーを自慢させて。まずはこれを見てよ。

で、この中には……。

たくさん出てきた!このスタッキングすごい!

16の調理器具がひとまとめになってるの。トランギアのビリーコッヘルというクッカーの中に、100円ショップで見つけたザルとかボウルとかおろし器とかが入っているのよ。

しかも、クッカーがいい感じに煤(すす)けていて、風合いがありますね。さて、今回は何を作るのですか?

今回は、トンテキのガリバタ醤油ソースがけを作るよ!

クッカー全然使わなさそうだけど楽しみです!メニューはどうやって決めているんですか?

気分だね。家にいるときに「次のキャンプで何作ろうかな〜」って毎日妄想してるよ。
あるとき、仕事が忙しくて全然キャンプにいけない時期があったんだけど、あまりにも自然に触れられず、禁断症状が出てしまって。スーパーでブロッコリーをずーっと眺めてたって事件があったけど。

自然を求めすぎたがゆえの行動なのでしょうね。

緑っぽい、自然ぽいものがブロッコリーだったんだろうね(笑)。食材はネットやスーパーで買うこともあるけど、キャンプ場近くの道の駅で、その土地の名産を買ったりもするね。

食材もきちんと用意するんですね。チューブにんにくとか使ったほうがラクじゃないですか?

今回のメニューは、にんにくがキモだから手間をかけるよ。それにね、せっかくキャンプで美味しいものを作るなら、ちゃんと手間をかけて、作っている時間も楽しみたいじゃない。じゃあ、作っていくよー。

にんにくをスライス。

豚肉のスジ切りをしておいて、焼いたときに丸まらないように。

油をひいた鉄板に肉を入れ、塩コショウして両面を焼く。

火が通ったらお皿に移し、蒸らしておく。こうするとお肉が固くなりにくい。ホイルで包んでもいいけど、なければ重ねた器のなかに入れておく。

同じ鉄板にバター3かけとスライスにんにくを入れて火にかける 。

って感じかな。簡単でしょ。

バターたっぷり。

バターはね、入れれば入れるだけ美味しくなる。この鉄板はヒロシさんが作ったキャンプギアブランド、NO.164のもので、端が絶妙に立ち上がっていて、肉も焼けるしソースも作れるから便利だよ。さて、そろそろ仕上げるよ。醤油とみりんをたらして、ソースができたらそこにお肉を戻す。

あ゛あ゛あ゛ーーバターとにんにくと醤油の香りが……!

ちゃんと2人分作ったから。それでは食べよう!

いただきます!

バターの凶暴な旨みに包まれたトンテキは……

一瞬で姿を消した。

うまーい!お肉の焼き加減もバッチリですね!

焚き火を使った調理は薪の位置を替えたり、火吹き棒で風を送ったり火力調整が難しいけど、それが楽しいよね。

そこが家のキッチンとは違いますよね。

そう!火を操っている感じがしてたまらないんだよ。

キャンプをやって気づいた、小さな幸せ

さてさて、日も暮れてきて、焚き火がいい雰囲気になってきましたね。西村さんにとっては、やはり「キャンプ=焚き火」なんですか?

うーん、もちろん焚き火は楽しむけど、「焚き火をやらなきゃ!」っていう思いでキャンプに来ているわけじゃない。キャンプって「何もしない贅沢」もあるし、「何をしてもいい」っていう自由があるからさ。人やキャンプ場に迷惑をかけなければ、キャンプの楽しみ方は自由だと思うよ。

映画を観たり、読書する人もたくさんいますからね。

僕もスマホに映画をダウンロードして、夜中テントの中で観たりするよ。ゾンビ映画とか、めちゃくちゃ怖い。テントが襲われるシーンとかあるとたまんないよ(笑)。あとね、僕は野球が好きなんだけど、焚き火しながらプロ野球のラジオ中継を聞くのも最高だよ。

すごく贅沢な時間ですね。キャンプには「何かしなきゃだめ!」という決めつけは必要ありませんからね。

決めつけや、縛りから逃れるためにキャンプしている、というのもあるからね。誰かが決めた枠組みの中で遊ぶ必要はないと思う。もちろんマナーは守らなければならないけど、キャンプを楽しむために自発的にマナーを守る人間でいたいよね。最近、キャンプ場に人が増えてマナーが低下しているといわれるから、なおさらそう思う。

すごく真っ直ぐにキャンプを楽しんでいるんですね。キャンプをするようになって、ご自身の中でなにか変化とかありましたか?

花が咲いているって、うれしいじゃない。こんな小さな喜びに気づけるようになったかな。自然に囲まれていると、木や花の四季折々の変化がすごく目にとまる。で、そうすると街でも思うわけですよ「あ、もうすぐ紫陽花の時期だな」とか、紅葉の色づきって、木によって全然違うんだな、とか。

それって幸せな変化だと僕は思うんです。

幸せだよね。小さな幸せ。キャンプをやっていて、小さい幸せに気づけるようになった。というか、「自分の中に草木を愛でる感情があった」ことに気づいたのかもしれないね。キャンプやってなかったら一生わからなかったかもしれない。ちょっと恥ずかしいけどね、40歳のおっさんになって、花が綺麗って(笑)。

いやいや、素敵じゃないですか。

本来、自分の中にあったものを、キャンプによって気づかされたのであれば、キャンプは「本当の自分を映す鏡」だって思うんだよね。今日も「やっぱ俺、道具好きだ」っていうのも再確認できたし。

深い……。

キャンプを始めたころは、こういうこと思わなかったけどね。最初はヒロシさんの車に乗せてもらって行ってたけど、気づいたらどっぷりハマって、ペーパードライバーだったのに運転を練習して車も買って、一人で行くようになってた。

キャンプがキッカケで車を手にしたんですね。僕も同じです。「車もキャンプギアの一つだ」と言う人もいますが。

まさにそう。できるなら、車を自分のキャンプサイトのギリギリまで寄せたいね。バンパーに映り込む焚き火が、また最高なの。それに、車があると自分の気分次第でいつでもキャンプにいける。俺の車はいってみれば、相棒なの。ソロキャンプだけど、ソロじゃない。「俺、焚火、車」この3つがセット。

かっこいい!そんな自由さが、ソロキャンプですよね。最後に、西村さんが今後やりたいなって思っていること、ありますか?

車中泊おもしろそうだなって思う。車中泊は、より秘密基地感あるし、そういう旅をしてみたいなぁ。

それなら、今度は夏の北海道に行ってみてもらいたいです。最高ですよ!

そうなるとテントいらなくなっちゃうんだけどね(笑)。

編集:はてな編集部
撮影:小野奈那子
撮影協力:有野実苑オートキャンプ場
この記事をシェアする

MEMBERSHIP

1分のメンバー登録で、
お得情報、見積もり保存、クルマ比較を
ご利用いただくことができます。

メンバーシップに登録

SNSをフォローする

  • ホーム
  • KINTOマガジン
  • コラム
  • バイきんぐ西村の「本気のキャンプ」について行ってみた。焚き火と道具への愛。そして、なぜかキャンプで気づいた小さな幸せの話になった

PAGE TOP