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絶景ハンティングの世界にようこそ – 車で行ける絶景撮影ポイントとドライブプランのつくり方

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<この記事は12分で読めます。>

ときに遠くで、ときに近場で、美しい景色に出会う。そんなドライブはいかがでしょうか。私、Redsugarは普段は登山を楽しみつつ、山の中で出会う絶景を写真に収めるべく日本全国を歩き回り、その様子をブログ『Redsugar』に綴っています。今回はみなさんに、私が日頃楽しんでいる、「山の絶景」そして「身近にある美しい光」に出会う旅をご紹介します。

私がこれまで撮影してきた作例と共にご紹介していきますが、絶景を楽しむのにカメラのスペックは関係ありません。スマホのカメラでも、ただ眺めるだけでも、絶景はきっとよい思い出になります。ぜひ、最後までお付き合いください。

<この記事の目次>

  1. 実は気軽に出会える絶景がある
  2. 美しい景色をハントする休日をつくろう
  3. 朝焼けの撮影のために、用意しておきたいアイテム
  4. 絶景以外のお楽しみ。帰りのご褒美も楽しもう
  5. 雨が降っていても美しい景色には出会える
  6. 遠くに行けなくても、少し郊外で朝焼けと夕焼けを楽しんでみる
  7. 車に乗って、自分の世界を広げる旅に出る
  8. 絶景ハンティングに興味が出てきたあなたに。アクセスしやすい絶景ポイントをご紹介

実は気軽に出会える絶景がある

絶景に出会う、といっても、なにも大冒険は必要ありません。たとえばこちらの1枚。

こちらは栃木県の半月峠。中禅寺湖の向こうに立つ男体山、その奥には日光連山が広がる雄大な景色が楽しめますが、実は駐車場から30分ほど山を登ればアクセス可能です。ここからは、クルマがあれば比較的気軽にアクセスできる絶景をモチーフに、オススメの絶景ポイントやそこにたどり着くための「旅のつくり方」をお伝えしたいと思います。

美しい景色をハントする休日をつくろう

気軽にアクセスできる絶景と聞いて、まず思い浮かぶのは蔵王連峰の御釜(おかま)です。どんな場所かというと……

山々の連なりのなかに、まるで大きな水たまりのような火口湖。これが御釜です。御釜がある蔵王連峰(蔵王山と呼ばれることも)は、宮城県と山形県を隔てる奥羽山脈にある日本百名山にも数えられる一座ですが、蔵王エコーラインという山岳道路が山頂付近まで伸びており、アクセシビリティが高いことでも知られています。

上の写真の撮影スポットである御釜までは、最寄りの刈田岳駐車場から徒歩でわずか5分ほどです。冬から春先以外の蔵王エコーラインを通行できる時期であれば、山形市内から1時間ほどで刈田岳駐車場にたどり着けることもあり、気軽に雲海や稜線を撮影できる非常に楽しいスポットです。

早朝の刈田岳駐車場の様子です。かすかな朝焼けがレストハウスの輪郭を浮かび上がらせ、駐車場の時点で、すでに素敵です。

今回はこのように、朝焼けのドラマチックな景色に出会うための旅のつくり方を考えてみます。

朝焼け撮影の1日をつくってみよう

1.天候と雲量の確認

朝焼けの瞬間に出会うためには、言うまでもなく天候が大事な要素です。目的のスポットが目的の時間に晴れるかどうかをしっかりと調べるのが重要です。私の場合、天気だけでなく、雲量予報のサイトや、高度別の雲の量を予測している、山の天気専門サイトを複数見るようにしています。それぞれのサイトで雲量が少なく晴れの場合に撮影に向かうのです。応用編として、高度別の雲量予報を上手く利用すれば、大地を覆いつくす雲海や、太陽の光で赤く染まる高層雲といった景色も狙えます。私が参考にしている天気予報、や雲量予報サイトを以下に紹介します。

山の天気予報
SCW
YamaYama GPV

山の天気を占うのは非常に難しいのですが、私がその予報精度に信頼を置くのが、「ヤマテン」こと、「山の天気予報」です。これに加え、1時間刻みで雲量予報が閲覧できるSCW、上層、中層、下層など、高度別の雲量予報が閲覧できるYamaYama GPVの3つの情報を組み合わせ、撮影の際の天気を判断しています。

さて、ここで注意していただきたいのは、悪天候の場合は決して無理をしない、ということです。絶景ポイントは雨が降ってしまうと、足場が悪くなったり視界不良になったり、事故のリスクが高まります。アウトドアに不慣れな方ならば、特に注意が必要です。天気が悪くなりそうならば、思い切って目的地を変更するのも重要です。後述しますが、天気が悪くとも、そんな日ならではの絶景を楽しめますのでご安心を。

2.絶景ポイントまでのルート情報を事前に調べる

特に山場の絶景ポイントへといたる道は、季節や天候によって通行止めになっている場合があります。前述の蔵王エコーラインも例年11月初旬から翌年の4月下旬までは閉鎖されてしまいます。事前にしっかりと調べておきたいところです。冬季であっても車でアクセスしやすい場所としては、長野県の霧ヶ峰が挙げられます。霧ヶ峰に至るビーナスラインは冬季でも一部区間は通行が可能です。なお、霧ヶ峰で楽しめるのは、こんな景色……

また、定番ですが神奈川県の芦ノ湖周辺で朝焼けの富士山を拝む、といったコースも冬に手軽に楽しめる絶景ハンティングといえるかもしれません。

3.朝焼けの時間を調べ、朝焼け1時間ほど前に到着する行程をつくる

天気と同時に調べるべきは、朝焼けの時間です。季節と場所によって太陽の光が差し込む時間が違いますので、これも調べます。夏場は朝5時前に日の出を迎えるため、駐車場から撮影スポットまでの移動や準備の時間を考慮すると、現地到着は朝3時ころになることが多いです。

4.安全な旅をするために、前日の睡眠時間調整はしっかりと

現地到着が朝3時ならば、撮影スポットまでは夜道を走らなければなりません。場合によってはうねうねと曲がりくねった山岳道路を走ることになります。深夜の高速道路ドライブには楽しみもあるのですが、峠道では集中力を使いますし、撮影ではその日一番の集中力を出したいものです。

そのためには、やはり前日の睡眠時間をしっかりと調整する必要があります。私は大体前日の夕方あたりから仮眠を数回とり、出発前には6時間は睡眠をとることが多いです。そのうえで、撮影スポットへ向かう間はサービスエリアで15分ほどの仮眠をとることを心がけています。こうした時間も予定に入れ、行程をつくることをお忘れなく。

5.撮影終了後は温泉と食を楽しむ旅の時間

心ゆくまで絶景を撮影した頃には心地よい疲労感を感じていることでしょう。目的地が火山地帯であれば場合、山の中腹にはかなりの確率で「名湯」が待っています。撮影後はその地域に根付いた温泉を楽しんで帰るのがおすすめです。早い時間から贅沢な風呂を楽しみましょう。

温泉を楽しんだ後は、そろそろお昼に差し掛かるくらいの時間になるはず。あとは、名産品やその土地に根付いた飲食店の味を楽しんで帰れば、充実した旅を写真と記憶に残すことができるでしょう。

朝焼けの撮影のために、用意しておきたいアイテム

絶景に出会うために気を払うべきは、行程だけではありません。自然豊かな場所に行くとなると、必要になるアイテムもあります。とくに忘れてはならないのが防寒着です。

2020年8月、蔵王連峰を訪れた際の筆者です。ご覧のとおり、真夏でもジャケットを持っていきます。

とくに朝焼けに出会うためには防寒着が必須です。夏場であろうとも標高2,000m近い場所の朝、日の出前の気温は低く、肌寒さを覚えます。防寒着を着用して身体を冷やさないようにして撮影ポイントに向かいましょう。

もうひとつ、用意していただきたいのがヘッドライト。朝焼けを撮影する際は、どうしても暗がりを歩く必要があり、ヘッドライトが必要になってきます。

こちらは、蔵王連峰、刈田岳駐車場から御釜へのルートですが、ご覧のとおり日の出に近い時間ははかなり暗いです。足場が整っていない場合もあるので、灯りはぜひ持っていっていただきたい。

もうひとつ、薄明かりの時間帯に写真撮影をしようと思ったら、三脚もあるとなお良しです。山の上は風が強いことも多いので、しっかりとしたトラベル用三脚があるといいのですが、山場で三脚は結構な荷物になってしまうので、自分の体力と相談して準備してください。

夏が過ぎ秋や冬ともなれば、自然が豊かな絶景スポットは一層厳しい環境になることがあります。準備はしすぎるくらいがちょうどよく、それが快適に過ごすことにつながります。

絶景以外のお楽しみ。帰りのご褒美も楽しもう

宮城県、秋田県、岩手県の3県にまたがる栗駒山の登山口にある須川高原温泉です。豊かな源泉(左写真)が流れ込むのは、まるで天国のような大露天風呂(右写真)。運が良ければ、絶景を見た帰りにこんな野趣あふれる温泉につかれるかも。

さて、山で絶景を堪能した後、まだまだ楽しみは続くのです。「絶景あるところに温泉と名産品あり」とは私の経験則ですが、景色以外のお楽しみを堪能するうえでも車は最高のツールです。公共交通機関では行動の時間が縛られたり、行ける場所も限られてしまいます。バスも走っていないような奥地の名店にも、気軽に足を向けられます。私もこれまで、お蕎麦や冷麺などなど、絶景とともに、数々の「美味いもん」に出会ってきました。

山で絶景を楽しみ、ご当地の名湯で疲れを癒やし、現地のグルメに舌鼓を打つ。絶景を撮影するつもりで来たのに、いつの間にか自分の知らない土地を楽しむ旅を存分に楽しんでしまう……。撮影だけにとどまらない、素敵なおまけを楽しむのも絶景ハンティングの魅力なのです。

雨が降っていても美しい景色には出会える

朝焼けを撮影すると息巻いた週末、あいにくの雨予報となり、予定していた場所での撮影ができそうもない……。でも大丈夫、落ち込まないでください。

雨だからといって写真が撮れなくなるわけではありません。雄大な景色といわずとも、雨の日は身近な美しい景色を探しに行くのはいかがでしょう。車にちょっと乗って、郊外の森に行ってみれば、車道沿いに素晴らしい景色が隠れているかも知れません。たとえば……

こちらは、飯能市の峠道で撮影した1枚。雨の日の森や郊外の山道は静謐な空気に包まれ、独特な空間となります。水に濡れた地面や道路、壁、薄い霧に包まれた様子は、晴れた日には見えなかった美しい景色が目の前に広がることもあります。

木々に目を向ければ、標高の高い山に向かわずとも、杉の植林で埋め尽くされたような、「よくある山中」でも優しい光が差し込み、木々や葉がひっそりとした美しさを見せてくれます。そういったかすかな光を意識してみると、雨の日でなくては撮影できない景色が浮かび上がってきます。

とくに朝靄(もや)や雲に包まれるようなコンディションは絶景に出会うチャンスです。靄に包まれた林は美しい景色の宝庫。たとえば、お手持ちのカメラのホワイトバランスを調整してみると……

こうした幻想的な世界に出会えます。私は靄にむせぶ森が大好きです。どこまでも続くような杉の木が奥に行くにつれて薄くかすんでゆく。上の写真はホワイトバランスを調整し青を基調とすることで、不思議な色彩を演出してみました。杉林が心象風景を表すキャンバスへと姿を変えるように感じます。

ホワイトバランスの調整機能はコンパクトデジタルカメラ、また、スマートフォンでも備えていることがあります。積極的に触ってみてると、その時の気持ちにそうような、美しい画が狙えるかもしれません。

雨が降っている日は、遠くには行けないけれど、森へ行ってみる。私の場合、埼玉県の飯能や秩父の雑木林などを目指して車を走らせます。早朝の霧に包まれた森は時間を忘れるくらい撮影に没頭できる場所なのです。雨でも車とともに行けば、移動は快適。車は多くの景色へと連れて行ってくれる、大事なパートナーです。

遠くに行けなくても、少し郊外で朝焼けと夕焼けを楽しんでみる

さて、雨の日の森以外にもよく撮影しに行く景色があります。それは、毎日の朝焼けや夕焼けです。

冬、夜明けの15分ほど前に上着を羽織り、少し離れた農地や公園へ車を走らせます。日の出とともに美しい光が差し込んでくる時間はとても気持ちく、眺めてよし、写真を撮るもよし、な贅沢な時間です。こうした時間、美しくなるのは空だけではありません。足元に目を移してみると……

そこには、こうした景色が広がっているかもしれません。私は埼玉県・さいたま市に住んでいますが、車を少し走らせればこうした景色に出会えます。普段は目に留まることもない景色かもしれませんが、朝の光に照らされる時間帯、水面に黄金のグラデーションが現れる素敵な絶景ポイントとなるのです。

また、春先の早朝ならば、なんともない道でも足元に目を凝らせば輝く草木の美しさに驚くこともあるでしょう。

公園の駐車場に車を止めて、足元で芽吹く小さな花々の世界は朝日の時間には素晴らしい輝きを放ちます。

夜露をまとった足元の美しい草花の姿は、朝だからこそ撮影できる被写体であり、小さな小さな絶景です。こうした景色は冬から春先にかけて見らますが、今日撮れるかもしれない素晴らしい小さな絶景を、ヒーターをきかせた車の中で暖かいコーヒーを飲みながら想像する。そんな時間が私はたまらなく好きなのです。

早起きは苦手?では、夕日を探しに出かけるのはいかがでしょう。日が傾き始める冬場の午後3時、今日の夕日はきれいそうだと思ってから車に乗り込んで郊外に向かって空を見上げます。

そこには、朝焼けと同じく素晴らしい色の空と、飴色の美しい光に出会えます。

休日、晴れたら山へ、雨なら森へ、それだけでなく、普段の生活のごく近くにある朝や夕方の美しい光を追いかける。大小さまざま絶景を求めて車を走らせるのはとても楽しく、休日の過ごし方としておすすめです。

車に乗って、自分の世界を広げる旅に出る

ここにご紹介したように、山や近場に車を走らせ、美しい景色に出会う。これが私の休日の楽しみ方です。

私は車を持つきっかけになったのは、登山でした。山に登り続ける日々の中で、日本百名山という存在を知り、それらに行ってみたいと思いましたが、その大半は車がなくてはたどり着けない場所にあります。私は人里離れた名山とそこに広がる絶景を楽しもうと車を手に入れました。

山通いを続ける中で、車は「自分で行ける世界を広げる」ためのとても便利なツールであることに気づきました。予約のわずらわしさや時間に縛られず、自分が行きたいと思ったその時に旅立てる。蔵王連峰の日の出を見る、という少々無茶なプランでも自分が見たいと思った景色を、自分の力で見ることを可能にしてくれたのです。

かつて、都内で車のない生活をしていましたが、休日の行動範囲は電車とバスで行ける都内の一部と横浜くらいでした。それが車を手に入れて以降、日帰りで行ける場所が北は山形、西は富山と一気に広がりを見せたのです。

1日の始まりから終わりまで、見知らぬ土地で、絶景と温泉と食事全てをやり切るパーフェクトな休日。みなさんも、愛車とともにそんな1日を楽しく過ごしていただけたら嬉しいです。

絶景ハンティングに興味が出てきたあなたに。アクセスしやすい絶景ポイントをご紹介

車でアクセスしやすい絶景ポイントはまだまだあります。以下に、比較的容易にアクセスできるポイントをいくつかご紹介します。少し歩かなくてはいけない場所もありますが、ぜひ休日のドライブで訪れてみてください。火山地帯を訪れる際は、自治体の発する噴火警戒レベルや火山ガスの発生状況などの情報を忘れずにチェックしてください。また、交通情報の確認もお忘れなく。

吾妻小富士(福島県)

吾妻小富士には磐梯吾妻スカイラインという絶景が続く山岳道路で向かいます。至近の駐車場からすぐに上ることができ、目の前にはそれまでたどってきた磐梯吾妻スカイラインが走る山肌が広がります。火山という別世界の景色を駐車場から降りて即楽しめるスポットです。

マップ情報→Click!

一切経山(福島県)

一切経山には吾妻小富士と同じく磐梯吾妻スカイラインでアクセスします。至近の駐車場からは80分ほどの登山が必要になりますが、比較的歩きやすい道が続きます。「魔女の瞳」と呼ばれる美しい池や高層湿原といった絶景スポットがたくさんある場所なので、ハイキングを楽しみながら写真を撮影するにはとても良い場所の一つです。

マップ情報→Click!

那須岳(栃木県)

こちらもちょっとした登山にはなってしまいますが、那須岳は山頂までロープウェイを降りて1時間。一切経山と同じく非現実的な光景を見ることができる場所です。 登山の装備をしっかりとそろえて、山頂に立てば北に向かって伸びる那須連山の荒々しい景色があなたを出迎えてくれることでしょう。

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黒斑山(群馬 / 長野県)

こちらは本格的な登山となりますが、まさに山の絶景が広がるという浅間山です。浅間山を真正面から眺める黒斑山は、登山をたしなんでさえいれば、そこまで酷な場所ではありません。紅葉時期に見れる浅間山の絶景は日本とは思えない光景です。

マップ情報→Click!

湯ノ丸山(群馬 / 長野県)

こちらは至近の地蔵峠エリアの駐車場まで車でアクセスし、そこから山道を歩くこと90分ほど。頑張って歩けば、ご覧のとおりの雄大な山々の広がりが堪能できます。

マップ情報→Click!

著者:Redsugar
平日は都内の企業に勤務しつつ、週末は登山と写真撮影に没頭。雑誌や写真サイトに山で撮った写真を提供しています。現在、メインで使用しているカメラはNIKON Z5。山に持っていくレンズはNIKKOR Z 24-70mm f/4 S。
Twitter:@sakemaro_red
ブログ:RED SUGAR


編集:はてな編集部

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