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コンパクトSUVは今や世界的なブームとなっています。国内では2010年に日産ジュークがデビューし人気を博したのを皮切りに、2013年にはホンダのヴェゼルが登場。トヨタからもC-HRやライズが登場し多くの人を魅了しています。
現在、このクラスは輸入車も含めて人気車が揃う激戦区です。その中でも今回は、長年愛されているヴェゼルと、デビュー間もないヤリスクロスの違いを解説します。
<この記事の目次>
先進性のヤリスクロスと広さのヴェゼル
ヤリスクロスは、先にデビューした世界戦略車であるコンパクトカー、ヤリスとプラットフォームを共有するコンパクトSUVです。ただ単にヤリスの車高を上げてSUV風に仕立て上げたわけではなく、エクステリアやその使い勝手は完全なオリジナルとなっています。
ボディサイズは全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,590mmとこのクラスの標準的なサイズで、TNGAプラットフォームが実現する走りの実力は高い評価を得ています。
コンパクトながら目線が高く、小回りも効くため女性ユーザーでも運転しやすい点も特徴です。
対してヴェゼルのポイントは巧みなパッケージングです。ボディサイズは全長4,330mm×全幅1,770mm×全高1,605mmとヤリスクロスより少し大きいのが特徴です。ベースとなるフィット由来のセンタータンクレイアウトによる広い室内と豊富なシートアレンジで使い勝手の良さに定評があります。
地道な年次改良によりアップデートを図ってきたことから、現在でも十分な商品力を保っています。
ヤリスクロスとヴェゼルの走りを比較
ヴェゼルのガソリン車は、排気量こそヤリスクロスと同じ1.5Lですが、ヤリスクロスの直列3気筒エンジンに対しヴェゼルは4気筒エンジンとなっています。ハイブリッドも同様で、ホンダらしいスポーティさで街やワインディングロードでは軽快な走りを見せます。
ヴェゼルには1.5L VTECターボ仕様があり、こちらは最高出力172psを発揮、さらにパワフルな走りが楽しめます。
ヤリスクロスは軽量&低重心のTNGAが生み出す軽快なオンロード走行だけでなく、オフロードでの基本性能の高さが光ります。特にガソリン車の4WDは、前輪駆動に近い状態と4WD状態を自動で制御する「ダイナミックトルクコントロール4WD」システムを採用しており、最低地上高も170mmを確保していることから荒れたダートロードも余裕で走破可能です。
また走行モードを切り替えることができるのも大きな特徴です。
ガソリン車の4WDには「マルチテレインセレクト」を用意。シフトの手前にあるダイヤルでMUD&SAND/NORMAL/ROCK&DIRTを切り替えることで、駆動力、4WD、ブレーキの制御を最適化。オフロードや滑りやすい路面での走破性を向上させることが可能です。
ハイブリッドの4WDはトヨタ車でおなじみの「E-Four」を採用しています。 片方のタイヤが空転してしまうような悪路では、TRAILモードによって、空転するタイヤにブレーキを掛け反対側のタイヤに最適な駆動トルクを掛けるよう制御。さらに、SNOWモードでは雪道などでもスムーズかつパワフルに走ることができます。
このほかにも、ダウンヒルアシストコントロールなど、コンパクトながら本格SUV並みの4WD性能を備えるのがヤリスクロスの大きな特徴です。
オンロードでの軽快な走りならヴェゼル、オフロードの高い走破性や高速道路の落ち着いた乗り心地ならヤリスクロスと走りの面ではキャラクターの違いが際立ちます。
ヤリスクロスとヴェゼルの燃費を比較
1.5Lガソリン車同士では、ヤリスクロスのWLTCモード燃費は18.8km/L~20.2km/L(2WD)、17.4km/L~18.5km/L(4WD)、ヴェゼルは17.8km/L~18.6km/L(2WD)、17.0km/L(4WD)でVTECガソリンターボ車(2WD)は16.4km/Lです。
一方ハイブリッド車で比較すると、ヤリスクロスのWLTCモード燃費は27.8km/L~30.8km/L(2WD)、26.0km/L~28.7km/L(4WD)で、ヴェゼルは19.6km/L~21.0km/L(2WD)、18.4km/L~19.6km/L(4WD)です。
ハイブリッド車の燃費を比較すればヤリスクロスに大きなアドバンテージがありますが、いずれも最新のコンパクトカーだけあって優秀な数値であることに変わりはありません。
さらに駆動ロスや車重の増加により一般的には燃費が悪化しやすいと言われている4WDで、好データをマークしているのには驚かされます。ヤリスクロスではE-Fourと呼ばれる後輪をドライブシャフトを通さずに独立したモーターで駆動するトヨタ独自の方式を採用したことで、燃費向上を実現しているといえるでしょう。
ヤリスクロスとヴェゼルの安全性能を比較
ヤリスクロスはToyota Safety Sense、ヴェゼルはHonda SENSINGと、両車とも最新の先進安全装備を標準装備しています(ヤリスクロスの「X“B パッケージ」を除く)。
Toyota Safety Senseはミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせによる安全運転支援機能です。レーダークルーズコントロールは高速道路の渋滞で停止するところまで使用可能なため、渋滞やノロノロ運転の負担が軽減されます。ヴェゼルのHonda SENSINGにも同様の機能(アダプティブ・クルーズ・コントロール)はありますが、作動速度は30km/h以上という条件があります。
衝突回避を支援する機能については、ヤリスクロスはプリクラッシュセーフティ(「X“B パッケージ」を除く)、ヴェゼルは衝突軽減ブレーキ(CMBS)と両車に搭載されています。ヤリスクロスは右折時の対向直進車と右左折時の対面歩行者にも対応しています。
ヤリスクロスとヴェゼルの内装を比較
ヴェゼルはデビュー当初はシンプルな内装でしたが、2018年の改良で内装の雰囲気がガラリと変わりました。上級グレードにはブラックスエード調の内装やジャズブラウンというシックな茶系の本革仕様の内装も用意されています。
室内空間は「身長185cmの人でも、ゆったり座れる」ことを基準に設計されており、頭上も足回りもゆったりしたリヤシートです。
ヤリスクロスの内装はディテールまでこだわったデザイン設計がされており、さらにパーキングブレーキも電動式に変更されるなど1クラス上であることを印象づけています。

※ヤリスクロスの内装
またスマホナビが使えるディスプレイオーディオが全車標準装備されています。さらに、このクラスでは珍しく、運転席が「6ウェイパワーシート」(HYBRID Z、Zのみ)となっているのも大きな特徴です。
ヤリスクロスとヴェゼルの外装を比較
ヴェゼルはデザインコンセプトとして「SUVとクーペを融合したフォルム」を掲げており、これは現在のトレンドとなっているクーペSUVとも合致します。デビューから年月が経過しているにもかかわらず古さを感じさせないのも、基本デザインの良さに加え年次改良により外装もブラッシュアップされていることが大きな要因でしょう。
ヤリスクロスは、ヘッドランプの形状などにベースとなったヤリスの面影を残してはいるものの、外板はすべて新規に設計されたものです。SUVらしい大径のタイヤとそれを囲むブラックの大型フェンダーでワイルドなスタイルを演出しています。


※ヤリスクロスの外装
同じトヨタのRAV4やライズほどワイルドではなく、C-HRやヴェゼルのようなクーペSUVスタイルとも違う、スタイリッシュでありながら普段使いしやすい、新たなSUVのスタイルを提案していると言って良いでしょう。
ヤリスクロスとヴェゼルのグレードと価格を比較
ヤリスクロスとヴェゼルの価格とグレードに関して、2WDで比較したのが以下です。
・ヤリスクロス
【ガソリン(2WD)】
X“Bパッケージ”:179万8,000円
X:189万6,000円
G:202万0,000円
Z:221万0,000円
【ハイブリッド(2WD)】
HYBRID X:228万4,000円
HYBRID G:239万4,000円
HYBRID Z:258万4,000円
・ヴェゼル
【ガソリン(2WD)】
G・Honda SENSING:211万3,426円
X・Honda SENSING:220万5,093円
RS・Honda SENSING:252万833円
TOURING・Honda SENSING:295万6,800円
TOURING Modulo X Honda SENSING:352万8,800円
【ハイブリッド(2WD)】
HYBRID・Honda SENSING:250万5,555円
HYBRID X・Honda SENSING:258万6,018円
HYBRID Z・Honda SENSING:276万186円
HYBRID RS・Honda SENSING:286万2,037円
HYBRID Modulo X Honda SENSING:346万7,200円
※価格はいずれも税込
ヤリスクロスとヴェゼルの総合比較まとめ
デビュー以来7年間、人気を保つヴェゼルの外装デザインは今もなお魅力的で地道な年次改良によりほぼ完成形にあると言えます。
そしてヤリスクロスは、商品力の高さもさることながらこのプライスは強豪揃いの小型SUV市場でも非常にインパクトがあります。

※ヤリスクロス
リーズナブルなヤリスクロスですが、さらに頭金なしの月々定額で新車に乗れる、新しいかたちのサービスがあるのをご存知でしょうか。それがトヨタの愛車サブスクリプション「KINTO」で、デビューしたばかりのヤリスクロスも対象車となっています。
まとまった頭金を用意するのにはちょっと時間がかかるがどうしても欲しい車がある、という場合には非常に魅力的なサービスではないでしょうか。
またKINTOの定額料金には車両代金だけでなく、自動車税や自賠責保険、点検費用、さらにKINTO専用の任意保険料まで毎月の支払い額にすべて含まれているのが特徴です。
KINTOの申し込みはネット上ですべて完結するので販売店に足を運ぶのは納車の時だけなので、初めて車を購入したいと考えている方も安心ではないでしょうか。
KINTOでは、ヤリスクロスを含むトヨタおよびレクサスの車種が数多く取扱われており、毎月下記の料金でヤリスクロスを利用できます。
【支払い例】
G GAS 1.5L 2WD(5人):3万9,380円~
(ボーナス11万円併用の場合)2万1,010円~
※料金は税込価格/7年契約の場合
ヤリスクロスが欲しいけど頭金を貯めるのが待てない、購入のやりとりや事務手続きが面倒といった方はKINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか。