約17年の歳月を経て2019年から復活した、トヨタのスポーツカー「スープラ」。初代から一貫して採用する「直列6気筒エンジン」と「FR駆動方式」に加え、高次元のスポーツ走行を実現するために、ショートホイールベース&ワイドトレッド化されました。
スポーツ走行を安全に楽しめるよう最新の先進安全性能も装備した上で、環境に配慮した燃費性能にも抜かりはありません。そんなスープラの魅力を徹底解説していきます。
<この記事の目次>
約17年ぶりに復活したスープラ
2002年に生産終了となった4代目スープラから約17年後の2019年に、5代目として復活したスープラですが、新型は技術提携をしているBMWとの協業のもと誕生しました。背景として、スープラのアイデンティティである「直列6気筒エンジン」に、BMWは強みを持っていたからです。
両社では、プラットフォームやパワートレインを共用して、トヨタはクーペスタイルのスープラ、BMWはオープンスタイルのZ4を開発しています。
理想を追求したスープラのパッケージング
ボディサイズ
全長4,380mm×全幅1,865mm×全高1,290mm(SZ-RとSZは1,295mm)と先代の4代目スープラよりも広くなりました。
これによりホイールベースは2,470mm、トレッドはフロント1,595mm(SZは1,610mm)・リア1,590mm(SZは1,615mm)と「ショートホイールベース&ワイドトレッド」を実現しています。
パワートレイン
フラッグシップグレードのRZには3.0L直列6気筒ターボエンジン、SZ-RとSZには2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載。今回のスープラにはNAがなく、直列4気筒モデルがエントリーグレードとしてラインアップされました。
トランスミッションは全グレードに「8速AT」が搭載され、マニュアルトランスミッションの設定はありません。
骨格や軽量素材の採用
床下からリアにかけては多相鋼板、Aピラーからルーフと床下センターおよび前後にはホットスタンプ鋼板、フロント周りにはアルミ合金を使用して骨格を形成し高剛性かつ低重心化を実現しています。
外板には軽量素材のアルミ合金や樹脂部品を広範囲に多用することで軽量化し、スポーツカーにふさわしいコーナーでの安定感と軽快感を両立させています。
ロングノーズ&ショートデッキ!スポーツカーらしいエクステリア
先代までのスープラは乗車定員が5名ないし4名でリアにもシートを装備していましたが、今回のスープラは2シーターの2人乗り仕様のみです。
ロングノーズ&ショートデッキのボディは、往年の名車「トヨタ2000GT」を思い起こさせるスタイリング。まさにスポーツカーらしいエクステリアに仕上げられています。
今回のスープラには3つのグレードが用意されており、グレードごとにいくつか違いがあります。
ホイールはRZが19インチ、SZ-Rが18インチ、SZが17インチです。ドアミラーカバーはRZがマットブラック塗装に対して、SZとSZ-Rではピアノブラック塗装になります。テールパイプではRZが直径100mmのヘアライン仕上げに対して、SZとSZ-Rでは直径90mmのクロームメッキ仕上げです。
ドライブに集中できるスープラのインテリア

スポーツカーと呼ぶにふさわしい仕上がりのコックピットと、それを中心としたインテリアもスープラが人気を博す理由の一つです。
水平基調で薄いインパネは前方の見晴らしが良く、走行中のインフォメーションの入手が容易にできます。
カラーヘッドアップディスプレイやメーター類、ステアリングに装備されたスイッチ類にパドルシフトなどがドライバーに対してタイトにまとめられており、高い視認性と操作性からドライブに集中できる環境に仕上げられています。
インテリアカラーはブラックをベースに、スポーツカーらしい引き締まった印象を演出。トップグレードのRZは、ステアリングホイールやドアパネル、センターコンソールの一部にレッドカラーをいれたデザインになっています。
直6エンジンへのこだわり!スープラの圧倒的な動力性能
スープラRZ
トップグレードとなるスープラRZにはB58型の3.0L直列6気筒ターボエンジンを搭載。2019年の発表当初は340PSだった最高出力は2020年4月の改良で387PSまで高められました。最大トルクは500N・mを発生させます。
エンジン出力の向上にともない、エンジンルーム内にブレースを追加することでボディ剛性もアップ。さらに路面追従性と高剛性が両立したサスペンションシステムを新たに搭載することで全面的に走りが進化しています。
タイヤサイズはフロント255/35ZR19にリア275/35ZR19、ブレーキはフロントに、レッド塗装のbrembo製17インチアルミ4ポッド対向キャリパー&348mm径ディスクブレーキを装備しています。
スープラSZ-R
ミドルグレードのスープラSZ-Rには高出力タイプのB48型の2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力258PS、最大トルク400N・mとなっています。
タイヤサイズはフロント255/40ZR18・リア275/40ZR18、ブレーキはフロント・リア共に17インチアルミフローティングキャリパー&330mm径ディスクブレーキを装備しています。
スープラSZ
エントリーグレードのスープラSZには標準タイプのB48型の2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力197PS、最大トルク320N・mです。タイヤサイズはフロント225/50R17・リア255/45R17、ブレーキは上位グレードのSZ-Rと共通です。SZのみランフラットタイヤが採用されています。
スープラは先進の安全装備搭載!
ピュアスポーツカーとして誕生したスープラには、トヨタの先進安全装備が全グレードに標準装備されています。現在トヨタの最先端安全装備は「Toyota Safety Sense」と呼ばれていますが、スープラでは「Toyota Supra Safety」という名称でパッケージ化。
車線からのはみ出しを知らせる「レーンディパーチャーアラート」、車線変更時の後方確認をアシストする「ブラインドスポットモニター」、衝突回避を支援し、万一の時の被害軽減に貢献する自動ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」など7つの安全装備を搭載しています。
スープラは燃費も優秀
スープラでは2.0から3.0Lのパワフルなターボエンジンを採用しています。スポーツ走行するために生まれたスープラのWLTCモード燃費は以下の通りです。
- RZ(3.0Lターボエンジン):12.0km/L
- SZ-R(2.0Lターボエンジン):12.7km/L
- SZ(2.0Lターボエンジン):13.1km/L
最高出力387PSを発揮する3.0Lターボエンジンで、12.0km/Lとスポーツカーとしては優秀。同排気量同型式エンジンであるSZ-RとSZで燃費数値の差は、出力特性の違いによるものです。
スープラのグレードと価格
スープラには「RZ」「SZ-R」「SZ」の3グレードが用意されています。それぞれのグレードの価格は税込で以下になります。
- SZ:499万5,000円
- SZ-R:601万3,000円
- RZ:731万3,000円
エントリーモデルのSZは500万円を切る価格で、他車の高性能スポーツカーに比べて手が出しやすい価格設定です。トップグレードのRZでも700万円台と、スペックから考えても企業努力の賜物と言えるでしょう。
スープラをKINTOで利用する方法
スープラの走りを楽しみたいけど、種々の手続きが面倒という方もいるでしょう。
トヨタの愛車サブスクリプションサービス「KINTO」では、全グレードのスープラを台数限定で取り扱っていましたが、現在は人気のため完売しています。(地域限定で一部取り扱いあり/2020年9月29日現在)将来的には通常ラインアップ車種として取扱いがあるかもしれません。
KINTOは月々定額でトヨタ(レクサス)の新車に乗れるサブスクリプションサービスです。車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用がコミコミ定額。さらに、クレジットカード払いも可能です。
2021年12月より、初期費用0円で気軽に乗り始められる「初期費用フリープラン」と、いつでも解約金0円でライフスタイルの変化に対応できる「解約金フリープラン(※)」の2つから選ぶことがでるようになりました。
※トヨタ車が対象(GRヤリス“モリゾウセレクション”除く)
※bZ4X専用プランでは5年目以降は解約金0円
トヨタ車(※)は3/5/7年、レクサス車は3年の契約期間となっており、契約期間中に割安な手数料で別の車に乗り換えができる初期費用フリープランのサービス「のりかえGO」(法人契約・レクサス車は対象外)もあります。申し込みは全てインターネットで完結するので、販売店に何度も足を運ぶ必要もありません。
※GRヤリス“モリゾウセレクション”は3年契約のみ
※bZ4X専用プランでは最長10年
スープラのまとめ

走りを楽しむために生まれたスープラ。スポーツ走行を存分に楽しめる充実装備でありながら、500万円以下から購入できる価格設定で、憧れのスポーツカーを手に入れることができます。
トヨタの愛車サブスクリプションサービス「KINTO」でも、再度スープラを台数限定で取り扱うかもしれませんので、最新情報を公式サイトでご確認ください。