カーリースは車のあたらしい乗り方として、最近話題を呼んでいます。そんなカーリースについて、まだよくわからないという方は多いのではないでしょうか?
ネット上でみられる「カーリースはデメリットだらけ」や「カーリースは“やめとけ”」といったクチコミ・評判などに、不安を感じる方もいらっしゃるのかもしれません。
カーリースには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。今回は、カーリースのメリットだけでなく、デメリットも含めて、カーリースについて詳しく解説していきます。
<この記事の目次>
カーリースとは

カーリースの仕組み
カーリースでは利用者が選んだ車種をリース会社が購入し、一定期間貸し出します。利用者は貸し出された車をマイカーのように利用できるのが特徴です。
料金は新車の値段から、契約終了時の推定査定金額を差し引いた金額に、保険料や税金、メンテナンス費用がプランに応じた金額ni
加えられます。これらの総額を契約月数で割った金額が、月々の支払いとなります。
したがってカーリースでは、毎月の支払いが定額(※)になります。ただしボーナス払い等のプランもありますので、必ず毎月定額になるというわけではありません。
※上記支払い額に加えて消費税がかかる点は注意が必要です。
カーリースとカーシェア、レンタカー、車サブスクリプションの違い
カーリースの他にも、カーシェアやレンタカーといった新しい車の乗り方もまた普及しています。
カーシェアやレンタカーは、好きなときに車を使用したい人が利用するサービスです。レンタカーは1日や1週間といった利用に適し、カーシェアは15分単位から利用可能と、短期の利用を想定しています。
一方でカーリースの契約は、少なくとも3年以上が一般的です。カーシェアやレンタカーが誰かと車を共有するのとは対照的に、カーリースではマイカーを所有している気持ちで車を利用することができます。
さらにトヨタは新たな車のサブスクリプションサービスとして「KINTO」を開始しました。「クルマをもっと簡単に、もっと気軽に。」をコンセプトに、頭金なし、諸費用込みの月々定額で新車に乗れる、トヨタが満を持して世に送り出した新サービスです。
カーリースと似ている部分もありますが、任意保険も契約に含まれる点などがカーリースとの違いで、車を「所有しない」時代に、よりフィットしたサービスになっています。
カーリース利用者は増えている
以前は車といえばマイカーを購入する形が主流でした。しかし昨今では、メンテナンスや諸経費の支払い、ひいては契約時の手続きなど、車を所有することで生じる手間を省きたい人が増加しています。
これに伴い、カーリースや車サブスクリプションという選択肢を選ぶ方々が年々増加傾向(※)にあります。
※出典:Response「オートリース車両、2024年度には3割増の481万6000台へ…矢野経済予測」
カーリースのメリット

頭金不要・月々の支払いが定額
頭金不要、税金やメンテナンス費用がコミコミの月々定額で、新車に乗れるというのがカーリースの最大のメリット。契約時には残価設定によって、契約終了後の車体価格を新車価格から差し引くことで、月々の低価格を実現させます。
カーリース 一万円/月〜について
「カーリース 一万円/月〜」といったキャッチコピーを見かけることがありますが、その場合の条件として、ボーナス払いを想定した金額になっていることもあります。予算ありきでカーリースを探す際には、どういった条件での利用料金なのか、よく調べるようにしましょう。
新車が用意される
カーリースでは最新モデルの車を選べます。車種も広く選べて、さまざまな利用者の幅広いニーズに対応しています。
トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」ではトヨタの車種で、好きなグレードも選択可能。より気軽に新車を楽しめるサービスになっています。
好きなナンバーを選べる
カーシェアやレンタカーでは、一般的に「わ」ナンバーの車となっています。しかし利用者の中には、「わ」ナンバーを好まない方や、ナンバーにこだわりたい方もいると思います。
カーリースやサブスクリプションでは、契約時に好きなナンバーを選べることが多くなっています。ナンバーにこだわりがある方でも、満足して利用できるでしょう。
手間がかからない
実はマイカーをもつと手間がかかることが非常に多く、たとえば税金の支払いや保険の手続きが必要で、車を手放す際も、査定の手続きなどで時間を取られることがしばしばあります。
一方、カーリースやサブスクリプションであれば、保険や税金といった諸経費はすべて月額に含まれているので、面倒な個別の支払いはありません。もし不明な点があっても、契約会社に連絡すれば、一括管理されているのですぐに対処してもらえます。
返却時に関しても、カーリースは残価を支払って購入するのか、新たな契約を結ぶのかを検討します。車のサブスクリプションであれば、契約更新で新車に乗りなおすか、返却して契約終了ととてもシンプルな手続きなので、余計な手間もかからないのがとても魅力的です。
カーリースを新規契約すると、契約年数の設定や残価設定でやや手間をとられますが、とくに車サブスクリプションであればプランごとに月額が設定されており、更新するかしないかを選ぶだけとなっています。
ネットでかんたん契約
カーリースや車サブスクリプションであれば、店頭に出向くことなく、ネットで契約できます。過去に車を乗り換える際、何度も販売店のもとを訪れた経験はないでしょうか。これからの車選び〜契約は、自宅に居ながらネット上で済ませることができるのです。
メンテナンスや車検などの面倒が少ない
車のメンテナンスや定期的な車検は、時期を覚えておかなければなりません。メンテナンスや車検の都度費用もかかり、煩わしいものです。
カーリースやサブスクリプションであれば、これらの費用はすべて含まれている上に、時期が迫ってくると連絡してくれるので、うっかり忘れてしまうこともありません。
車の乗り換えも楽
カーリースでは契約終了時に、車を購入して継続して乗るか、新車で新規の契約を結ぶか、新たな契約は結ばないかを選びます。車の処理の手続きは、会社が受け持ってくれます。
サブスクリプションだとより簡単で、契約を更新して新車に乗るか、契約を終了するかだけです。その他のことは、会社に任せてしまえます。
法人向けカーリースのメリット
経費処理が楽になる
法人や個人事業主が新車を購入した場合、一定期間かけて減価償却(※)していきます。
一方、カーリースやサブスクリプションの場合、月々の支払いを経費として計上します。諸経費込みの定額なので、経理の手続きも楽になり、法人や個人事業主にとっても魅力的なサービスでしょう。
※減価償却とは、長期にわたって使用する固定資産について、時間の経過に合わせて費用として計上すること。新車購入の場合、数年にわたって減価償却をする必要があります。
カーリースのデメリット
カスタマイズがしにくい
マイカーのように車を利用できるカーリースですが、あくまでもカーリース会社が車を保有しています。また契約後に返却を想定していることもあり、残念ながら車のカスタマイズは難しいのが現状です。
一方で車サブスクリプションでは、カスタマイズされた車(カスタムカー)がラインアップされている場合もあります。カーリースの契約プランでは満足できない場合には、車サブスクリプションに目を向けるのもいいでしょう。
走行距離制限がある
カーリースでは無条件に車が貸し出されるというわけではありません。
契約期間中の総走行距離が設定されます。契約終了時にこの走行距離の上限を超えていると、その分だけ追加精算金が必要なことも。カーリースではこの設定距離で支払い額にも変動があります。安く乗るために走行距離の上限を低く設定しすぎて、思い切り乗れないということも考えられます。
走行距離の設定や追加精算金に関しては、会社ごとに違うので、利用する前に確認しておきましょう。
サブスクリプションも追加精算金の点は同様ですが、走行距離はあらかじめ設定されており、普通に乗っていれば、その上限を超えないことが一般的です。
中途解約はできない
カーリースでは基本的に中途解約はできません。万が一、事故などで車が著しく損傷した際には、カーリース会社から解約を通知されます。この場合、解約金が発生し、まとまったお金が必要となります。
また契約期間中に別の車に乗りたくなったときも、解約金を払わなければなりません。一度契約すると、契約期間中の乗り換えは難しいでしょう。
車サブスクリプションでは、あらかじめ設定されている解約金を支払えば解約できるので安心です。海外転勤や免許返納など解約金が不要な場合もあります。
結果的には現金で買うより、多く支払っている
頭金不要の月々定額で新車に乗れてしまうカーリースで、お得に感じてしまうかもしれません。しかし、もし契約終了後に車を買い取った場合、トータルでの支払い金額は、リースにかかる金利の分、現金で買うよりも多くなってしまいます。
リース金利はまさしくローンと同じような構造になっているので、契約時はよく注意しましょう。
原状回復が必要である
カーリースで車を契約し返却するときは、原状回復をしておくことが原則です。つまり自分好みのカスタマイズをした際は、元に戻さないといけませんし、傷が目立つ際には修繕しなければなりません。
返却時になって思わぬ費用がかかってしまうこともあり、カーリースでのトラブルの原因になる点ですので、こちらもよく確認しておきましょう。
残価設定金額を下回ってしまうリスク
カーリースでは契約時に残価設定をして、月々のリーズナブルな価格を実現しています。しかし返却時の査定でこの設定額を下回ると、追加精算を求められます。
カーリースはデメリットだらけ?カーリースは“やめとけ”?

ネット上で「カーリースはデメリットだらけ」「カーリースは“やめとけ”」といったクチコミ・評判を見かけますが、前述したカーリースのデメリットのみに目を向ければ、間違っていないのかもしれません。
現金一括で車を購入できる方や、車が趣味でカスタマイズが好きな方、通勤などで走行距離が多くなる方などにとっては、カーリースはデメリットだらけに見え「カーリースは“やめとけ”」とアドバイスされる場合もあるでしょう。
しかし、カーリースのデメリットは特に気にならず、むしろメリットに魅力を感じる方にとっては、必ずしも「カーリースはデメリットだらけ」とはならないのではないでしょうか。
車を利用する方のライフスタイルや車に乗る目的をベースに考え、カーリースのメリット・デメリットを考慮に入れて、車の購入、カーリースやカーシェア、レンタカーの利用などを検討するとよいでしょう。
カーリースの料金内訳

車両代金
選んだ車本体の料金です。残価設定により金額が差し引かれます。車種やモデルによって金額が変動します。
環境性能割
2019年10月1日以降、自動車取得税が廃止され、「環境性能割」が導入されました。自動車の燃費性能等に応じて、自家用の登録車は0~3%、営業用の登録車と軽自動車は0~2%になります。新車・中古車を問わず課されます。
自動車重量税
車両の重量に応じて金額が決まる税金です。車両の購入時・車検時に課されます。エコカー減税対象車の場合、燃費基準の達成率に応じて免税されます。もしくは最大で75%の減税を受けることもできます。
自動車税種別割
2019年10月1日以降、自動車の排気量等に応じて毎年かかる自動車税は「自動車税種別割」に名称が変更されました。
「自動車税種別割」は毎年4月1日の時点で自動車を保有するすべての人に課されます。自動車重量税と異なり、車両の排気量によって金額が決まります。
自賠責保険料
法律によってすべての自動車が加入を義務づけられている保険です。加入せず自動車を運転した場合、厳しい罰則があります。事故の被害者の体に対する損害のみを補償する保険です。
リースの金利、手数料
カーリース会社の諸経費や、リースにかかる金利が含まれています。
カーリース代に含まれていないもの
一般修理費用
車両を使用し、劣化による部品の摩耗や破損の際にかかる修理費用です。
消耗品交換費用
エンジンオイルやブレーキオイル、冷却水といった消耗品の交換にかかる費用です。
任意保険費用
自賠責保険と異なり、任意保険は法律で加入を義務づけられていませんが、車を利用するほとんどの人が加入します。
自賠責保険では事故被害者の体に対する損害しか補償しません。そのため任意保険で、相手の車両や物に対する損害、対物事故の場合の損害、自分の車両や体に対する損害等、自賠責保険では補償できない項目への保険となります。
ロードサービスの費用
脱輪などの走行中のトラブルや、エンジン不良といった車両の異常時に使用するロードサービスの費用です。加入する任意保険によっては、この費用が含まれていることもあります。
カーリースにおけるその他の費用
燃料費
ガソリン代は利用者負担になります。車を利用する上で必ずかかる費用です。
駐車場代
一軒家の自宅でガレージがある場合はかかりませんが、マンションのような集合住宅や、一軒家でもガレージがないならば、駐車場を契約する必要があります。
カーリースのメリット・デメリット まとめ

カーリースや、とくに似ているサービスである車サブスクリプションにも焦点をあてて、メリット・デメリットをみてきました。
車を所有する際のさまざまな手間を省きたい、月々定額でシンプルに車に乗りたいという方には、カーリースやサブスクリプションがぴったりのサービスですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q:カーリースやサブスクリプションをオススメする方とは?
カーリースやサブスクリプションの最大の魅力は、頭金不要で諸経費込みの月々定額、そして車を維持するにあたり、さまざまな手間が省けるという点でしょう。また一定期間ごとの新車への乗り換えにも向いています。
したがって、金利で現金購入するより多少金額が多くなっても、契約から支払い、メンテナンス、返却に至る手間を省きたい方、もしくは3年くらいをメドに新車に乗り換えたい方にはオススメといえます。
また経費計上できる法人や個人事業主が利用するのもオススメです。
Q:カーリースやサブスクリプションをオススメしない方とは?
支払総額が気になる方には向きません。リース費用には金利がかかりますが、諸経費込みであるがゆえに、税金や車検の支払いにも金利がかかっています。本来かかるはずのない費用がかかることに抵抗のある方には、向かないサービスといえるでしょう。
また自分好みの車にアレンジしたい方や、傷などに気を遣い使いながら車に乗りたくない方にも、オススメできません。